2015 Fiscal Year Research-status Report
質量分析を用いた内視鏡診断法のための新規遠隔試料採取法およびイオン化法の開発
Project/Area Number |
26505003
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
チェン リーチュイン 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (40585577)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 質量分析 / 遠隔試料採集 / 内視鏡 / エレクトロスプレーイオン化 / 大気圧イオン化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は質量分析を用いた内視鏡診断法のための新規遠隔試料採取法およびイオン化法の開発を目的としている。
今年度は液体試料を遠隔に採集、イオン化するサンプリング・プローブの改良を行い、性能を評価する自動試料ステージの製作が完了した。サンプリング・イオン化の評価がリニアイオントラップ質量分析計を用いて行い、試料採集が質量分析計から2メートル以上離して行なっても試料の検出ができることが分かった。
そして生体試料を採集するサンプリング・プローブを工業用内視顕微鏡に装着した。サンプリング・プローブの先端に木綿糸を用い、生体組織の表面との接触によってサンプルを採取し、試料が自動運送システムにより質量分析機器のイオン化部に輸送される。このシステムを用いて生体を採集する実験の準備を行なった。採集したサンプルのイオン化効率を上げるために、既存の高圧エレクトロスプレーを改良し200度以上に加熱することが成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は液体試料の遠隔試料採集・イオン化評価が完了した。生体試料用のサンプリング・プローブを工業用内視顕微鏡に装着し、評価実験が始まった。試料採集プローブとイオン源の改良と最適化が順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
遠隔で試料及びイオンを採集するためサンプル及びイオン信号の損失、輸送部の汚染問題が起こる見込みである。それに対し、輸送部の設計または輸送チューブの選択についてチューブ内部の帯電効果や流体力学の効果を考慮し、信号の損失及びメモリ効果を最低限にする必要がある。
本研究の技術を生体試料の研究に広げるために医学部の専門家との共同研究が必要。
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Causes of Carryover |
全額執行する予定でしたが、会計システムへの入力の不備から、残金額の把握に誤りがあり、生じた未使用額については次年度に契約を行うことになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
遠隔試料採取とそのためのイオン化評価実験に使う消耗品(金属キャピラリー、液体クロマトグラフィー用の試料チューブなど)を購入する予定。
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Remarks |
研究者総覧 http://erdb.yamanashi.ac.jp/rdb/A_DispDetail.Scholar?fid=0&id=E8234B74832FFADA
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