2015 Fiscal Year Research-status Report
飛行時間質量分析計のための超高感度イオン検出システム
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26505006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石原 盛男 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30294151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 岐聡 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80283828)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 飛行時間型質量分析計 / MCP検出器 / パルス計数法 / 積分回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度検出システムの動作を確認した。しかし、検出器からの雑音が当初の見込みより大幅に大きく出ていることが判明した。この問題の解決を目的として今年度は疑似信号発生装置の設計製作をおこなった。
この装置はマルチチャンネルプレートからの高速電流パルス信号をシミュレートするものであり、構成は発光ダイオードによる微弱光発生部と光電子増倍管による電流発生部からなっている。微弱光子発生部では毎秒100万個オーダーの光子を発生させることが目標で、そのために微弱電流を発光ダイオードに供給する電源を設計製作した。実験の結果発光ダイオードの微弱電流のほとんどが再結合電流となっていて、当初目標の発光個数が得られなかった。電流値を予定より上げることで発光を観測でき、光子1個からの高速電流パルス(幅5nS)を得ることができた。しかし、パルスの発生が不安定で疑似信号発生器として用いるには至らなかった。この原因は微弱電流の流れが不安定であると推定できる。今後は発光ダイオードはある程度の強度で発光させ、光を減衰させることで発光密度の制御を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
検出器からの予想以上の雑音の対策に時間がかかっている。この雑音の影響を低くおさえることはこの検出システムの重要なポイントであり、さけて通ることはできない。効果的な改善法を見出すべく検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
疑似信号発生器の改良を進め雑音の解明を行う。その結果をふまえて、現在にくらべ雑音の影響を1桁軽減することをめざす。そのうえで、検出システムの構築、性能評価を行い検出システムの実用化をめざす。
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