2014 Fiscal Year Research-status Report
生命金属元素分析と分子イメージング技術の融合による生体メタロミクス計測技術の開発
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26505014
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
本村 信治 独立行政法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, 副チームリーダー (20360654)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コンプトンカメラ / 3次元定量撮像法 / 3次元断層画像 / ガンマ線イメージング / 生体メタロミクス計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内における種々の金属元素の挙動と、金属が関与する生体分子の状態を同時に体外から可視化分析する新規生体メタロミクス計測技術の確立を目指し、平成26年度は、計算機シミュレーションやRIファントムを用いた撮像実験を行い、本研究代表者らが開発した半導体コンプトンカメラ「GREI」を用いた3次元定量撮像手法の検討を行った。放射線検出器のモンテカルロシミュレーション・ツールキットとして汎用されているGEANT4を用い、現在所有している2台のGREI撮像ヘッドをコンピュータ上にモデル化し、それら2台の撮像ヘッドを向い合せに配置した「対向デュアルヘッド型GREI」による撮像の計算機シミュレーションを行った。2台のGREI撮像ヘッド間の距離を変化させて撮像性能を比較した結果、距離を近付けるほど感度および画質も向上した。そこで、実際の撮像実験においては、その実験における条件を考慮して撮像対象に出来るだけ近付けることとした。そして、保有する2台のGREI撮像ヘッドを用いて構築された対向デュアルヘッド型GREIを用いて、RIファントムの撮像実験を行った。この実験では、4つのガンマ線源のホットスポットを有するRIファントムを作成し、対向デュアルヘッド型GREIの撮像視野内に設置して撮像データを取得した。この撮像実験の結果、20分間の撮像でRIファントムの3次元断層画像を取得することに成功し、この画像強度を用いて定量性の評価が可能となった。しかしながら、作成した3次元断層画像では、背景のアーチファクトが目立つ傾向が見られた。この原因は、画像生成に使用した逆投影関数を過度に単純化したことであると考えられたため、より正確な逆投影関数の検討も開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対向デュアルヘッド型GREIを用いて、20分間の撮像で3次元断層画像を取得することに成功し、その撮像性能を示すと共に定量評価可能なデータを生成することができたが、一方で画像中のアーチファクトの問題が課題として残ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は概ね当初の計画通りに実施する予定であるが、新たに課題として浮上した正確な逆投影関数の検討についても重点的に対応する。
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Causes of Carryover |
物品購入等の際の見積額が、業者とのやり取りの中で当初額よりも上下し、その差額が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新たな検討課題も生じているため、そのデータの記録媒体の購入等に使用する。
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