2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26506003
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
イン ベイウェン 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (90422401)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 実験進化 / 飢餓 / 増殖速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞は環境資源を利用して生きるが、その資源濃度が極限まで下がると、資源利用ができなくなり、生存不可となる。それは、細胞が増殖速度と資源利用のバランス(反比例関係)を取っているためだと言われている。増殖と資源利用のトレードオフのバランス点をずらせば、少ない資源成分に対し、効率的利用能力をもつ細胞の誕生が可能である。ここで、資源濃度が極めて低くても、その資源の利用ができ、増殖する細胞の創出を目的とする。 平成26年度は、栄養素アミノ酸を資源として、野生型大腸菌を用いて、枯渇-蘇生のサイクルを繰り返すことにより、進化実験の再現を行った。その結果、集団レベルの植え継ぎでもアミノ酸利用効率のよい大腸菌細胞が得られたが、系列ごとに程度の違いが観察された。また、ゲノム配列解析から、ゲノム変異の蓄積が飢餓ストレスによって、顕著になる傾向が観察された。これからは、複数系列の進化結果と途中経過株をゲノム配列解析し、観察された進化結果の一般性を評価する。 また、進化前後の細部の集団動態ダイナミクスを評価した。最大増殖速度と最大集団数の相関関係を提携数理学的に評価した。ほかの系列を同様評価することにより、得られた相関関係が普遍的かどうかが分かる。 最後に、一細胞の進化実験の条件検討を行い、96穴プレートでの植え継ぎがうまくいくことが確認された。上記、集団進化のゲノム変異解析結果が出てから、一細胞レベルの進化実験をどこまで行うのかを決める。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定になかったゲノム配列解析まで行った。初期的な解析だったのが、極限環境の疑似進化によって、必須遺伝子の欠失が認められた。今後、大きな展開が予想される。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に得られた進化結果の一般性を評価する。 1)初期的なゲノム配列解析により、必須遺伝子の欠失が認められたため、生化学的手法で、生体分子の変化と適応度(飢餓耐性)との関連性を明らかにする。 2)複数系列の進化集団に対し、ゲノム配列解析と集団動態解析を行い、これまでに得られた進化結果の普遍性を評価する。 3)以上の結果から、検証実験を検討する。
|
Research Products
(4 results)