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2016 Fiscal Year Research-status Report

宇宙実験のためのメダカ骨形成分子基盤の解明

Research Project

Project/Area Number 26506005
Research InstitutionTokyo Institute of Technology

Principal Investigator

猪早 敬二  東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (70302958)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2018-03-31
Keywords発生・分化 / 骨形成 / 骨芽細胞 / メダカ
Outline of Annual Research Achievements

メダカにおいて、骨をつくる細胞である骨芽細胞の分化については、未だによく理解されていない現状であり、骨芽細胞分化の分子メカニズムを明らかにすることは、宇宙研究を推進するためにも急務である。本研究は、骨形成に関わる遺伝子のノックアウトメダカをゲノム編集技術を用いて作製し、各遺伝子の機能を明らかにすることを目的としている。マウスにおいて骨芽細胞分化に必須と報告されているosterix遺伝子のノックアウトメダカをTALEN法を用いて作製を試みたところ、フレームシフト変異が生じることでosteirx遺伝子の機能不全が期待されるメダカ変異体の系統化に成功することができた。このメダカosterix変異体の表現型の精査を行ったところ、頭部、胴尾部や鰭などの全身の骨組織で骨形成不全が見られた。特に脊椎では、椎体は形成されるものの、神経棘と血管棘の形成が見られず、osterix遺伝子がこれらの骨組織の形成に関与していることが示唆された。当該年度では、osterix変異体における骨芽細胞の発生を、トランスジェニックメダカを用いて詳細に調べた。その結果、osteirx変異体の椎体においては、X型コラーゲン(col10a1)陽性細胞が正常に発生してくることが分かった。またこれらのcol10a1陽性細胞はアルカリファスファターゼ活性を有し、椎体の石灰化に関与していることが示唆された。さらに、col10a1遺伝子のプロモーター下でosterix全長cDNAを発現するトランスジェニックレスキューメダカ系統を作製したところ、osterix遺伝子のプロモーターを用いたレスキュー実験と同様に、神経棘と血管棘および他の骨組織の回復が変異体で認められた。以上のことは、col10a1陽性細胞は未熟な骨芽細胞と考えられ、骨芽細胞の成熟にはosterix遺伝子の発現が必須であることを強く示唆している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的は骨形成に関わる遺伝子のノックアウトメダカを、TALENやCRISPRによるゲノム編集技術を用いて作製し、各遺伝子のメダカ骨発生における機能を明らかにすることを目的としている。これまでに、メダカosterix変異体の表現型の詳細を明らかにし、osterix遺伝子がメダカの骨発生においても、マウスと同様に、骨芽細胞の分化に関与していることを強く示唆する結果を得てきた。当該年度では、メダカosterix変異体における骨芽細胞の発生に注目し、硬骨魚類における骨芽細胞の分化メカニズムの一端を明らかにすることができた。これらの成果は、発生生物学の専門誌に現在投稿中である。

Strategy for Future Research Activity

系統化された骨形成に関与するノックアウトメダカの表現型を順次精査し、解析する予定である。

Causes of Carryover

変異体の解析時に必要な高価な遺伝子クローニング関連キットの購入が当初の予定ほどではなかった。また標的遺伝子の表現型を確定する過程では、トランスジェニクレスキューメダカを作製することに成功し、当初予定していた高価なモルフォリノアンチセンスオリゴを購入しなかったため、当該助成金が生じることとなった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

変異体の解析では、多数のオリゴプライマー、cDNAやゲノムDNAのクローニング、塩基配列の決定などが必要であり、高価な遺伝子クローニング関連のキットの購入に使用する予定である。また標的遺伝子の表現型を確定する過程では、高価なモルフォリノアンチセンスオリゴの購入を予定している。

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Published: 2018-01-16  

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