2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26506010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田浦 晶子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70515345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北尻 真一郎 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00532970)
山崎 博司 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (80536243) [Withdrawn]
中島 則行 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80625468)
伊藤 壽一 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (90176339)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 微小重力環境 / 内耳有毛細胞 / 感覚毛 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス生後2日目のマウスの前庭耳石器組織を採取し、コラーゲン内で器官培養を行い、感覚毛も免疫組織学的に検討し、実験系のセットアップを確立した。 通常重力環境下および3Dクリノスタット微小重力環境下での培養で前庭組織有毛細胞について比較検討した。微小重力環境での培養を1日間から5日間まで行い検討した。有毛細胞の評価方法としては、phalloidin染色にて感覚毛の形態について観察検討した。 24時間では感覚毛は正常との明らかな差は認めなかったが、36時間以上になると感覚毛数が減少しており、前庭耳石器が長時間の微小重力環境により障害を受ける可能性があることが示唆された。 またES細胞を用いて、内耳組織の分化誘導についても重力環境の影響について検討した。従来の報告では微小重力は分化を抑制する方向に働くとされているが、内耳については未だ明らかではない。今回、Math-1-ES細胞から従来の報告の方法を参考にして内耳有毛細胞を誘導し、通常重力および微小重力での分化誘導の差について検討したところ、微小重力環境下では内耳有毛細胞への分化誘導が抑制される傾向にあることがわかった。 さらにTRIOBP欠損マウス(生後2日令)にても前庭耳石器組織を採取し1週間器官培養を行った。TRIOBPマウスでは感覚毛の根の形成不全があり、有毛細胞の変性を来すとされているが、今回の実験で有毛細胞の感覚毛については通常重力環境でも微小重力環境でも明らかな差は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正常マウスでは微小重力環境が長くなると感覚毛に障害が生じる可能性が示唆された。 また感覚毛の根に障害があるTRIOBPノックアウトマウスも用いて微小重力環境の影響を検討したが、今回の検討では明らかな差は認めなかったことから、根の成熟への重力の関与は低いと考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度のデータをまとめて、微小重力環境での内耳前庭有毛細胞感覚毛の成熟への影響をまとめる。 その際に必要な条件での実験が必要であれば、再度実験を行い検討する。 可能であれば胎生期での前庭組織を用いて、感覚毛の発達における重力の関与を検討したい。
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Causes of Carryover |
実験計画よりも購入物品が少量で済んだためと思われます。 また使用動物実験数も少量で済んだためと考えられます。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文作成に際して、不十分な実験を追加で行います。 また英文校閲や論文掲載料などに使用する計画です。
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Research Products
(3 results)