2014 Fiscal Year Research-status Report
宇宙空間における筋萎縮(Sarcopenia)の分子機序解明と新たな治療への展開
Project/Area Number |
26506013
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉住 朋晴 九州大学, 大学病院, 講師 (80363373)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 洋市 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00404070)
川中 博文 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10363334)
岡野 慎士 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10380429) [Withdrawn]
池田 哲夫 九州大学, 大学病院, 准教授 (60585701)
調 憲 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70264025)
前原 喜彦 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80165662)
池上 徹 九州大学, 大学病院, 助教 (80432938)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | サルコペニア / 肝筋相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙空間においては骨格筋の著明な萎縮(Sarcopenia)が起こるが、その詳細な機序は未だ不明である。グルタミンは骨格筋で唯一産生され、血中に最も多く含まれている遊離アミノ酸であり、準必須アミノ酸である。リンパ球や腸管粘膜のエネルギー源であり、リンパ球の機能亢進、腸管免疫能改善などの働きを持つ。一方、臨床データからSarcopeniaは、肝疾患の予後因子となり、肝筋相関の重要性が注目されている。Sarcopeniaでは様々なアミノ酸の低下が言われており、アミノ酸の供給不足よって肝臓や免疫能の与える影響を検討することは、肝筋相関を解明の鍵となることが示唆される。また、肝組織における蛋白質分解や生合成、エネルギー産生に関わるオートファジーにも着目し、Sarcopenia、肝筋相関を解明していく目的で研究を行っている。方法は、筋肉におけるPCG1α過剰発現マウス(Sarcopeniaモデルマウス)、Wildtypeマウスにそれぞれ70%肝切除を施行し、比較検討を行う。医薬基盤研究所よりPGC1α/E過剰発現マウスの凍結精子を搬入し、交配を進めている。現在、交配によって得られた個体化したマウスをWild type、Homo型、Hetero型の識別を行うためGenotypingの手技を取得中である。オートファジーノックアウトマウスも、同様に交配をすすめており、Sarcopeniaとオートファジーの関連も今後解析予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PGC1α/E過剰発現マウスは、筋肉特異的peroxisome proliferator activated receptor-1α過剰発現により筋肉のATP産生の異常あり、加齢とともに骨格筋の萎縮を起こす。出生後24週経過し、サルコペニアがすすんだ状態での肝切除を予定しており、現在はマウスの交配をすすめている。肝切除の手技は習得済みであり、マウスの成育を待ち、検体を採取予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに我々が得ている臨床データから、骨格筋萎縮のため、BCAAやグルタミン、アルギニンは低下することが予想される。哺乳類における最大の免疫機関である小腸粘膜において必須な栄養素が、グルタミンでありSarcopeniaにおいては、腸管粘膜萎縮や免疫系(リンパ球やマクロファージ)の低下が起きると予想される。グルタミン、アルギニン、L-カルニチンは肝再生を促進させることが以前より報告されており、これらの低下が、肝再生の低下を招くと考えられる。これらの仮説を確認予定である。
|