2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26506020
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
大野 宗祐 千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 上席研究員 (80432631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬川 高弘 大学共同利用法人情報・システム研究機構, 新領域融合研究センター, 助教 (90425835)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アストロバイオロジー / 極限環境微生物 / 成層圏科学 / 惑星科学 / 大気球実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
大気球を用いた成層圏微生物採取実験のための試料採取装置の原理実証と製作、分析手順と滅菌洗浄手順の確立を行った。 まず、成層圏微生物採取実験の先行研究と比べて地上微生物の混入を劇的に軽減できる、降下式インパクター型試料採取装置の原理実証と製作を行った。低圧下で微粒子が捕集できるよう理論計算による採取装置の形状の最適化を行い、実験用模型を製作して実証試験を行い、さらに実際の気球実験用の形状の模型を用いて採取効率の定量化のための風洞実験を行った。その結果、我々が気球実験用に製作したインパクター型試料採取装置を用いることで、確かに低圧下の浮遊微生物が十分な効率で採取できるということが実証できた。また、予定している観測手法(蛍光顕微鏡)で採取された微粒子を検出できることを実証することが出来た。 また、実験で用いる試料採取装置の内部のダストを完全に除去するとともに、微生物が完全に死滅する滅菌条件での洗浄滅菌試験を行った。その結果、たしかにダストを除去できること、内部に微生物が存在しないことを確認できた。また、一連の洗浄滅菌手順を行った後の微生物採取装置一式が問題なく動作することを確認した。 これにより、大気球を用いた微生物採取実験の準備をほぼ全て整えることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
成層圏微生物採取のための大気球実験へ向けた準備を行い、最も重要なポイントであった採取手法と分析手法ほぼ全て確立することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に第1回の大気球実験を行い、成層圏微生物採取・分析を行う予定である。装置が想定通り動作し、試料採取と分析に成功した場合は、さらに多角的な分析を行うとともに、成層圏微生物の高度分布を観測することを目指す。 採取装置はこれまでに検討・製作した物をベースに実験を行うことが出来るので、大気球実験のフライト機会を得ることが出来れば順調に成果を創出できると想定している。
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Causes of Carryover |
予定していた、遠方の他大学での打ち合わせ・出張実験の予定が変更になった。実験は近距離の研究機関(神奈川県のJAXA)にて行った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
成層圏微生物採取実験のための事前試験に必要な消耗品(蛍光ビーズ、試薬類等)の購入に充当する予定である。
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