2016 Fiscal Year Annual Research Report
Bioaerosol sampling at the stratosphere using scientific balloons
Project/Area Number |
26506020
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
大野 宗祐 千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 上席研究員 (80432631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬川 高弘 山梨大学, 総合研究部, 助教 (90425835)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アストロバイオロジー / 極限環境微生物 / 成層圏 / 気球実験 / インパクター |
Outline of Annual Research Achievements |
地球生命圏の上端biopause、あるいは地球/地球外間の生命の流入/脱出の有無は、生命の普遍性や起源、進化、分布を理解する上で非常に重要である。地球/地球外間の生命の流入/脱出を確認する最も直接的な鍵は地球中層大気での生物分布にある。我々は中層大気中での微生物の動態を包括的に理解するため、JAXAの大気球を用いた成層圏微生物採取実験(Biopauseプロジェクト)を行っている。 2016年度に行った大気球実験の結果、新規開発した降下式インパクター型試料採取装置で、成層圏微粒子を採取することに成功した。サテライト構造を持つエアロゾル粒子を確認し、確かに成層圏にて微生物試料の採取に成功したことが示された。また、採取装置を搭載したゴンドラの側面に塗布した蛍光ビーズの混入が無かったことから、試料採取中の地上微生物の混入を防止するという降下式インパクター型試料採取装置の最大の長所が実証された。気球実験用の降下式インパクター型の微粒子採取装置による実験は前例がなく、技術実証として重要であるとともに、今後成層圏微生物採取実験を継続していく上での基盤となるものである。 さらに、本実験の結果より、難培養性微生物も含めた成層圏微生物数密度の上限値を推定した。難培養性微生物は自然界の微生物の大半を占めるだけでなく、成層圏微生物の寿命や動態などを理解する上で不可欠な情報を有しており、生物圏界面biopauseの検出と理解というプロジェクトの大目標達成へ向けて中核となる観測対象である。これまでの成層圏微生物の観測は培養法に依存しており対象が培養できる微生物のみに限定されていたため、本研究が成層圏の難培養性微生物に関する世界初の観測結果である。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] 成層圏微生物採取実験Biopause:2016 年度実験報告と今後の展望2016
Author(s)
大野宗祐, 石橋高, 三宅範宗, 河口優子, 梯友哉, 奥平修, 山田学, 山岸明彦, 山田和彦, 高橋裕介, 原田大樹, 野中聡, 瀬川高弘, 福家英之, 吉田哲也, 石川裕子, 山内一也, 所源亮, 小林正規, 松井孝典
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Journal Title
Balloon Symposium: 2016 Conference Pape
Volume: 1
Pages: 1
Open Access
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[Presentation] THE BIOPAUSE PROJECT: BALLOON EXPERIMENTS FOR SAMPLING STRATOSPHERIC BIOAEROSOL2017
Author(s)
S. Ohno, K. Ishibashi, N. Miyake, Y. Kawaguchi, Y. Kakehashi, O. Okudaira, M. Yamada, K. Yamada, Y. Takahashi, D. Harada, A. Yamagishi, T. Segawa, S. Nonaka, Y. Ishikawa, G. Tokoro, K. Yamanouchi, M. Kobayashi, H. Fuke, T. Yoshida, T. Matsui
Organizer
48th Lunar and Planetary Science Conference
Place of Presentation
ヒューストン、アメリカ合衆国
Year and Date
2017-03-20 – 2017-03-24
Int'l Joint Research
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[Presentation] 成層圏微生物採取実験Biopause:2016 年度実験報告と今後の展望2016
Author(s)
大野宗祐, 石橋高, 三宅範宗, 河口優子, 梯友哉, 奥平修, 山田学, 山岸明彦, 山田和彦, 高橋裕介, 原田大樹, 野中聡, 瀬川高弘, 福家英之, 吉田哲也, 石川裕子, 山内一也, 所源亮, 小林正規, 松井孝典
Organizer
平成28年度大気球シンポジウム
Place of Presentation
宇宙航空研究開発機構(神奈川県相模原市)
Year and Date
2016-11-01 – 2016-11-02
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[Presentation] 大気球を用いた成層圏微生物採取実験:Biopauseプロジェクト2016
Author(s)
大野宗祐,石橋高, 三宅範宗, 山田学,奥平修,小林正規, 松井孝典,梯友哉,山田和彦, 野中聡,福家英之, 吉田哲也,河口優子,山岸明彦,瀬川高弘,高橋裕介, 原田大樹,石川裕子,所源亮,山内一也
Organizer
第60回宇宙科学技術連合講演会
Place of Presentation
函館アリーナ(北海道函館市)
Year and Date
2016-09-06 – 2016-09-09
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