2014 Fiscal Year Research-status Report
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26506023
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
寺田 信幸 東洋大学, 理工学部, 教授 (90155466)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心機能 / 静脈血行動態 / 頸静脈圧 / 外耳道 / 体振動 / 無侵襲計測 / パラボリックフライト |
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙微小重力環境下の血液循環動態およびその調節機構における静脈血行動態の解明は重要性である。しかしながら、簡便かつ精度良く静脈系をモニターすることが難しく、この分野の研究が遅れている。また、三尖弁狭窄症、右室肥大、右心不全、肺高血圧症、三尖弁閉鎖不全症、心不全などの診断、治療には、右心機能の的確な把握が必要である。 我々は、外耳道を経由して検知される微弱な体振動から右心機能を非観血、非侵襲的に診断する手法を考案した。耳栓により閉塞した外耳道空間の振動を低周波領域に特性を有する差圧センサもしくは音響センサにより計測する。本研究では、外耳道より検知される体振動を用いた右心機能診断装置の開発とその計測データの生理的妥当性を検証する。 外耳道空間より得られる体振動から頸静脈圧変動成分を抽出し、右心機能を解析できる装置を試作した。試作した装置を用いて、精度、正確度、安定性などの基本的性能を検証した。また、得られた計測データの生理的妥当性について心音および循環動態解析システムを用いて検証を行った。その結果、外耳道内圧変化から得られる生体情報は、心拍情報のみならず頸静脈圧変動など新たな生理的指標としての可能性が示唆された。右心機能を解析できる新しい測定法として今後大いに期待される。また、H26年12月に早稲田大学、明治大学と共同で、航空機による無重力実験を実施した。パラボリックフライトによって引き起こる加重力・微小重力時の外耳道内圧を計測し、右心機能と重力の関連性についても検討を行った。現在、詳細なデータ解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究計画通り、①外耳道より得られる体振動から頸静脈圧変動成分を抽出し、右心機能を解析できる装置を試作した。②体振動データから頸静脈圧変動成分を抽出、解析するデータ処理アルゴリズムの開発を行った。③試作した装置を用いて、精度、正確度、安定性の基本的性能の検証をおこなった。 その結果、外耳道内圧変化から得られる生体情報は、心拍情報のみならず頸静脈圧変動など新たな生理的指標としての可能性が示唆された。右心機能を解析できる新しい測定法として今後大いに期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
試作した装置をベースに小型してウエアラブなものにし、宇宙環境下でも安定した計測が可能な装置とする。その上で、得られた計測データの生理的妥当性について、心音および循環動態解析システム、超音波診断装置(心エコー)を用いて検証する。その際、体位変換、飲水による容量負荷、エアロバイクによる運動負荷などを行い、頸静脈圧変動および右心機能が計測されていることを検証する。
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Causes of Carryover |
当初購入を予定していた水晶絶対圧センサが生産中止で入手できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度に絶対圧校正の代替法を考案し、必要部品を調達する。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] 筋電計サンプリングレートの違いがブラキシズムイベントの検出能に及ぼす影響2014
Author(s)
佐藤雅介, 大塚英稔, 飯塚知明, 渡遺明, 岩瀬直樹, 猪野照夫, 窪田佳寛, 寺田信幸, 斉藤小夏, 菅原絹枝, 藤澤政紀
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Journal Title
顎機能誌
Volume: 21
Pages: 28-33
Peer Reviewed
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