2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26506028
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
橋本 博文 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (50272175)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 火星 / 低圧 / スプラウト栽培 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究テーマは、火星の大気圧環境下で芽だし野菜(スプラウト)栽培に挑戦するために火星の大気圧に近い1kPaの純酸素雰囲気(1/100気圧)で非平衡な状態で液体の水を存在するように制御し、実際にその環境で種子の発芽を検証するということを目的としている。 申請した計画では第一段階として「平成26年度に、小規模な装置により非平衡な状態では短い時間、水が液体として存在し得ることを確認する。第二段階として、平成27年度に、この装置を大型化したものを製作し、必要な環境を制御できることを確認する。」となっているが、小規模な装置による発芽実験を確認のために繰り返すうちに、種子が発芽しない場合があるので、詳しく調べる必要性が出てきた。これは圧力をマノメータにより正確に調整できるようになってからの問題である。 そこで、一度に多くの種類の種子を発芽させることができる低圧実験装置を作り、発芽実験を実施した。この実験ではキュウリ、ナス、ブロッコリー、ダイコン、インゲンから全42種類の種子(サカタのタネ製)から選定した。その結果、ナス以外の種類では大気を1/20まで減圧した雰囲気(酸素分圧1kPa)で発芽するものがいくつか確認できた。 本実験は寄り道であるが、本申請を行うまでは非常に限られた6種類の種子でしか実験を行えなかったので、火星で栽培できる可能性が高い低圧耐性植物を発見できたことは大きな収穫であり、実績と言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画の実験を遂行中に今までにない結果が見られ、その解決のために一旦基本的な多種類の種子による発芽実験を行うことになったから。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに、多種類の種子による発芽実験を実施し、より多くの低圧耐性植物を把握した後に、本申請テーマ実験である非平衡な環境の制御およびそこでの発芽実験に戻りたい。
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Causes of Carryover |
計画した実験に不明な点が生じ、新たに詳細な基礎実験を行ったため、計画通りの実験が完了できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
基礎実験を実施後、軌道修正して、計画の実験を行うために使用したい。
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Research Products
(2 results)