2014 Fiscal Year Research-status Report
腎不全患者のむずむず脚症候群(RLS)発症機構の分子生物学的解明と腎毒性物質同定
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26507004
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
村松 一洋 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70510907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 雄一 公益財団法人神経研究所, その他部局等, 教授 (50213179)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 睡眠障害 / むずむず脚症候群 / 腎不全 / 動物モデル / ドパミン |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度は(1)BTBD9変異マウスおよび野生型マウスに対して、腎不全患者血清を腹腔内投与する.投与後に睡眠中の脳波および下肢運動を計測する. (2)これらの運動量測定後に、Rotigotine投与を行い睡眠中の下肢運動量の改善を認めるかどうか計測する.この2点を実施する計画としていた. まず、過去に作製保存していた凍結配偶子をマウス仮親に移植しヘテロ接合変異マウスを産出した.このマウスを野生型マウスと交配して、さらにヘテロ接合マウスを作出した.解析に必要な十分な数のマウスを得ることに時間を要しており、現在も予定数をそろえるため繁殖を継続している. 変異マウスと野生型との電気生理学的な睡眠状況の比較検討をパイロットスタディーとして行った.詳細な結果の記載は控えるが、変異マウスにおいてREM期の減少はじめとする種々の睡眠パラメータの変化を認めた.これは睡眠の質の低下や、覚醒しやすさを反映していると考える.このことから、少なくともBTBD9が睡眠において何らかの重要な役割を担っていることが裏付けられた.また、睡眠の質の低下や覚醒しやすさはrestless legs syndromeの表現型としても類似するものであり、BTBD9変異マウスがrestless legs syndrome動物モデルとしても適切で有用性が高いといえる. 27年度は一般睡眠状況の検討のみならず、腎不全患者の血液を投与することでrestless legs syndrome症状の増強を認めるか等の解析へと進めていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検討に必要な動物数の準備に時間を要しているが、数が揃い次第、計画を遂行できる状態である. パイロットスタディーは既に実施されて、変異型マウスの示す睡眠状況の変化は把握できている.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)BTBD9変異マウスおよび野生型マウスに対して、腎不全患者血清を腹腔内投与する.投与後に睡眠中の脳波および下肢運動を計測する. (2)これらの運動量測定後に、Rotigotine投与を行い睡眠中の下肢運動量の改善を認めるかどうか計測する.動物の数が揃い次第、この2点を実施すると共に、(3)測定後に脳神経組織、特に黒質、A11や脊髄のドパミン神経細胞数計測、ドパミン受容体の発現やチロシンハイドロキシラーゼ活性を計測する事に着手する予定である.
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Causes of Carryover |
26年度に実施予定であった電気生理学的睡眠測定の実施が27年度に実施される見通しとなったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
電気生理学的解析を実施することで使用される予定である.
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