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2014 Fiscal Year Research-status Report

原発事故後の被災地における「復興」と社会階層に関する計量社会学的研究

Research Project

Project/Area Number 26510004
Research InstitutionFukushima University

Principal Investigator

橋本 摂子  福島大学, 行政政策学類, 准教授 (70323813)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords東日本大震災 / 復興 / 社会階層 / 福島
Outline of Annual Research Achievements

本年度は双葉調査(2011)の自由回答を再検討し、避難者のうち、帰還に否定的(悲観的)な層の階層特性について分析した。帰還や今後の居住可能性について否定的な層は、階層的にみると圧倒的に若年層・子育て世代が多く、また国の提示する復興政策の有効性に懐疑的かつ、市町村の対応に信頼を持たない層が多い。また、国内および福島市内におけるこれまでの「復興」政策とその受益者層の分析から、施策の方向性が帰還支援、居住支援に偏重し、福島の外に出たい人への移住支援の視点が欠けている点を考察した。福島市内における試験的な現地調査からは、コミュニティ内で移住希望を表明しにくい空気が醸成されていること、および震災後自主的に避難し、その後財政的困難や家族の反対などから市内に帰還した人々が、元のコミュニティ(福島から避難しなかった人々)から疎外されているという感覚をもちやすいことがわかった。以上から、今後はこうした住民利害の多層化と経済的・社会的階層特性がどのようにかかわっているのかを明らかにし、現状におけるマジョリティのための「復興政策」から外れた人々をどのようにすくい取っていくか、という視点が、「復興」概念を再検討するうえで必要不可欠である、という知見を得た。それら国内調査と並行し、原子力立地政策の国際比較をおこなうために、EUにおける原子力大国であるフランスで現地調査を行い、フランスの現代史のなかで原発誘致政策がどのように成立してきたかを学んだ。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

福島におけるこれまでの調査データの再検討、福島市内における試験的インタビュー調査、および国際比較の文献・資料収集等が順調に進んでいる。ただし、「復興」への意識と階層特性との関係を明らかにするには、計量的データが必要であると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

今後は震災からの「復興」をめぐる住民意識の多層化と社会経済的階層特性の関連を明らかにするために、福島市において計量的な市民調査を企画するか、あるいはそうしたデータを含む既存の調査結果を入手し、2次分析・再レビュー等により適宜利用していく。あわせて、日本における原発推進政策の成立しを学び、原発事故における「責任」の問い方について理論的考察を進める。

Causes of Carryover

主として、年度末に予定していた原発立地反対地域のフィールドワーク調査(和歌山県)が、実施できなかったことによる。

Expenditure Plan for Carryover Budget

前年度実施できなかった調査を今年度に実施する。

URL: 

Published: 2016-05-27  

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