2015 Fiscal Year Research-status Report
東日本大震災による福島県避難住民の居住形態における精神的な健康状態への影響
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26510011
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
堀越 直子 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 助手 (90722497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安村 誠司 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50220158)
岩佐 一 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (60435716)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 東日本大震災 / 避難住民の精神影響 / 住居関連要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
東日本大震災とこれに伴う津波、福島第一原子力発電所の事故により、避難区域等に指定された福島県の住民は、現在もまだ避難生活を余儀なくしている。避難住民の精神的な健康状態には、避難生活に伴う生活基盤や社会的ネットワークの喪失、生活再建の見通しの不明瞭さ等が影響を与えていると考えるが、その詳細は未解明であり、十分な支援につなげるエビデンスが明らかになっていない。そのため、居住場所(県内・県外)や居住形態に焦点をあて、精神的な健康状態と居住に関連する要因について、詳細な面接調査を行い、適切な支援方策の検討、潜在的な要支援者の把握を行うことは急務であると考えた。 まず、避難住民の居住関連要因が精神的な健康状態に影響しているかを明らかにするため、災害時等の避難住民の心理的ストレス反応に関する文献レビューを行った。その結果、災害時等における住民関連要因(頻回な転居や居住不満足感)が避難者の心理的ストレスに影響があることを確認し、また、調整変数として重要な変数を見出すことができた。 次に、本調査の実施確定に向けた市町村との連絡調整が順調に進み、避難区域等に指定された福島県民で、借り上げ住宅(県内・県外)等で暮らす避難樹民に対する面接調査が、平成26年度に終了した。得られたデータのクリーニングおよび居住関連要因と心理的ストレス反応の関連の分析を平成27年度から始め、今後は、大規模な自然災害時で、長期化する避難生活への具体的な支援方策を提案できるよう、まとめ作業に取り掛かる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本調査の実施確定に向けた市町村との調整が進み、県内・県外の借り上げ住宅に暮らす住民への調査実施が、既に終了したため、計画以上の進展がみられ、出た―クリーニング作業が早めに取り掛かれ、分析や支援方策の検討に時間をあてられている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、居住関連要因と心理的ストレス反応の関連を多角的に分析し、潜在的な要支援者の把握に努め、具体的な支援方策の検討を引き続き行っていく。また、国内で開催される関連領域の学会発表および論文投稿に向けた執筆、投稿を行っていく。
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Causes of Carryover |
当初の予算計画通りに進んでいるが、論文投稿が遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
関連領域の学会参加、論文投稿に向けた準備を実施する
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