2017 Fiscal Year Annual Research Report
Verification of emergency logistics system in earthquake occurrence
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26510019
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
秋川 卓也 日本大学, 商学部, 専任講師 (80367515)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 支援物資 / ロジスティクス / 備蓄 / アンケート調査 / BCP / 東日本大震災 / 熊本地震 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の実績として以下の4つ挙げることできる。 第一に、全国市町村の自治体による支援物資ロジスティクスの体制についてである。全国の市区町村の自治体(特別区も含む)に対してアンケート調査を実施し、487の自治体から回答を得た(回答率28.0%)。その結果、市町村では、物資関連の運営・管理に関する具体的な方法について、十分な検討と準備がなされていないことが分かった。発災後に、準備不足だけでなく、専門知識や能力の不足、物資(備蓄)の不足等も重なり、被災者に対する物資の提供が遅れる懸念がある。 第二に、食品製造業の事業継続計画(BCP)に関する研究成果である。アンケート調査の結果、食品製造業者のBCP実施率は約3割にとどまり、低いことが分かった。さらに、実施内容として調達や物流の領域が手薄であることも分かった。「量」だけでなく、「質」にも問題があることから、食品サプライチェーンの事業継続の可能性に疑問符がつく結果となった。 第三に、事業者の災害備蓄に関する実態について明らかにしたことである。事業者は従業員と帰宅困難者の備蓄が保持することが求められており、アンケートでその実態を問うた。その結果、4割以上の事業者が備蓄を保持していない現状が明らかになった。自治体が緊急支援物資の供給対象として住民に限定していることがほとんどのため、事業者の備蓄不足が物資需要の大きく増加させる混乱要因となる可能性がある。 第四に、被災者のアンケートデータに基づく、熊本震災における緊急支援物資ロジスティクスの事後評価である。熊本地震の避難所利用者に対して支援物資の充足水準に関するウェブアンケートを行った。東日本大震災でも同様のデータを回収しているので、両者の比較考察を行った。
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Research Products
(1 results)