2014 Fiscal Year Research-status Report
高齢期から終末期の生活を支援する機器と科学技術の在り方に関する社会科学的研究
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26520102
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
二瓶 美里 東京大学, 新領域創成科学研究科, 講師 (20409668)
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Project Period (FY) |
2014-02-01 – 2017-03-31
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Keywords | 支援機器 / 福祉用具 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者への支援の質は、高齢当事者や介護者の経済状況や地理的あるいは経済的条件によって大きな差があり、さらに介護者や高齢当事者が予後をどのように捉えるかが重要な問題になってくる。本研究では、生活活動や社会参加のための支援機器の利活用と、今後の支援機器の開発戦略および科学技術導入の在り方を明確にすることを目的とし、本年度は(1)支援機器の開発と方法論の現状調査、および(2)高齢期から終末期の者に対する支援機器の在り方に関する国内地域・国際比較 についての事前調査を実施した。 (1)支援機器と方法論の現状調査においては、転倒予防関連機器として車椅子の転倒を予防する装置、移動支援機器については電動車椅子、認知症のための支援機器については情報支援システムの開発プロセスをまとめ、調査項目の整理を行った。(2)高齢期から終末期の者に対する支援機器の在り方についての国内外調査においては、インド、台湾、ベトナムにおいて事前調査を実施した。これらの調査では、高齢者の定義、高齢期から終末期の状況、保険制度、支援機器に関する制度、価格、市場、種類など、視覚障害、上肢障害、貸障害、高次脳機能障害、認知障害、医療用具、技能訓練具、義肢装具、パーソナルケア関連用具、移動機器、火事用具、家具、建具、建築設備、コミュニケーション、情報支援用具、レクリエーション用具、ユニバーサルデザインやバリアフリーの現状の項目について調査し、まとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一部、他職種チームの開発アプローチに関する調査と国内地域比較の事前調査において実施できなかった。主な理由としては、前者については対象機器の絞込に時間がかかったこと、後者においては、先に国際比較の事前調査を実施し国内調査項目を決定することとしたためである。それ以外についてはおおむね計画通りに進捗が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の計画としては、国内比較調査により高齢期から終末期のものに対する支援機器の導入時の検討事項を抽出し分類する。また、具体的に機器の導入を見合わせた事例や、導入時に問題が起きた事例を収集する予定である。また、国際比較(約7カ国)では支援機器のあり方に関する共通点および相違点を明らかにするためのフィールド調査および質問し調査を実施する。
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Causes of Carryover |
一時期産休のため、出張調査の予定を延期した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度実施できなかった国内外調査においては、今年度実施予定である。
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