2015 Fiscal Year Research-status Report
終末期認知症高齢者の代理決定における家族と看護師の対立と一致
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26520104
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
牧野 公美子 浜松医科大学, 医学部, 助教 (10436967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉田 貞美 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (20436976) [Withdrawn]
白柳 聡美 浜松医科大学, 医学部, 教務補佐員 (40736823)
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Project Period (FY) |
2014-07-18 – 2018-03-31
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Keywords | 代理決定 / 家族 / 認知症高齢者 / 終末期医療 / 看護支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.日本における高齢者の終末期医療に関する代理決定の研究動向(文献研究) 研究成果を学会発表した。論文としてまとめ、現在、学会誌に投稿中である。 2.遺族と看護師をペアで対象とした面接調査 1の文献研究によって、①家族と専門家双方にとって満足のいく代理決定の方法を明らかにするためには、代理の意思決定の当事者である家族と代理決定を支援する医療・介護の専門家それぞれからの一方向の見方ではなく、双方の見方とその相互作用の過程を解明することが必要であること、②特に認知症高齢者の代理決定に関する知見の集積が乏しいこと、が明らかにされた。 文献研究の結果をふまえて、本研究の調査対象は、本人意思が確認困難な認知症高齢者の終末期医療を代理決定した遺族と、その遺族を主に支援した看護師の双方の同意が得られたペアとした。当初の研究計画では、認知症高齢者の終末期看護に関心がある特別養護老人ホームを複数箇所選定し、施設への協力依頼を同時期に行うことにしていた。しかし、本研究の課題が特別養護老人ホームにとっては入居者の死亡に関連したセンシティブなものであったことから、施設への協力依頼は各施設の事情に応じて個別に行うことが必要であった。そのため、当初の計画を変更し、1施設ごとに調査協力の依頼と、承諾が得られた場合には施設から紹介された遺族・看護師双方の同意が得られたペアに対して面接調査を実施することにした。面接調査が完了した遺族と看護師のペアは、東海・関東・近畿地方の3施設から紹介された16組であった。ヒアリング内容はすべて逐語録として起した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
面接調査および逐語録の作成は計画通り終了したが、看護師の代理決定支援プロセスに関する質的技法を用いた分析がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.遺族と看護師をペアで対象とした面接調査(平成28年度) 看護師面接調査の分析を速やかに終了させ、遺族面接調査の分析に着手する。看護師の代理決定支援プロセスと、代理決定で受けた看護支援に対する遺族の受けとめ・評価のプロセスを比較することで、両者の間での構成概念や概念間の関連性の相違を解明する。 2.質問紙調査(平成28~29年度) 研究倫理委員会の承認後、特別養護老人ホームと、そこで認知症高齢者を看取った遺族を対象とした質問紙調査を実施する。質問紙調査の分析モデルの構築と質問項目の作成に際しては、1の面接調査の結果と、認知症高齢者の終末期医療決定に関する国内外の文献を参考とする。
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Causes of Carryover |
研究補助員を雇う予定であった文字起こし作業を、的確さと効率化を図ることを優先して専門業者への委託に変更するために、後年度分の一部を前倒し支払請求していた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越した研究費は、当初の予定通り、対象施設・調査対象者への協力依頼のための通信費や質問票の印刷費など、質問紙調査実施に係る費用に充てる。
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