2014 Fiscal Year Research-status Report
前高齢期から高齢期を見通し、予防医療や行政施策を個別化するための予測モデルの作成
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26520105
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川村 孝 京都大学, 健康科学センター, 教授 (10252230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若井 建志 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50270989)
玉腰 暁子 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90236737)
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Project Period (FY) |
2014-07-18 – 2018-03-31
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Keywords | 地域コホート研究 / 予測モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の基礎資料となる64歳時の参加者特性の10年間の変遷、また、64歳時点の要因と70歳までの死亡もしくは要介護認定(複合アウトカム)との関連に関する予備的な検討を行った。これらの解析の対象者数は男性1550名、女性1526名であった。 1. 64歳時の参加者データの10年間の変遷 一方向性のトレンドがあると思われるものについて一次回帰を行って回帰直線の傾きの有意性を検討した。有意水準はP値が0.01未満とした。身長は男女ともに増加、体重は男性のみ増加のトレンドを示した。収縮期血圧は男性のみ減少した。血液検査では、ヘモグロビンは男女ともに増加、血清クレアチニンは男女ともに減少、中性脂肪は男女ともに減少のトレンドを示した。歯科検診では、残存歯が男女ともに増加した。生活調査では、社会的活動度と生活満足度が女性のみ増加、睡眠時間は男女ともに減少した。食事摂取頻度調査では、摂取する総エネルギー量は男性のみ減少、炭水化物は男性のみ減少、コレステロール量は男性のみ減少、亜鉛は男性のみ減少のトレンドを示した。 2.70歳までの死亡もしくは要介護に関連する64歳時点の要因 70歳までに死亡した者は男性88名、女性35名、70歳まで生存し要介護の認定を受けた者は男性32名、女性54名であった。性別と参加年で調整した結果、64歳時の歩き方が早い者のオッズ比は0.29と小さな値を示した。仕事をしている、結婚している、残存歯20本以上の者は、リスクが3分の2程度に低下していた。また、現在喫煙している、糖尿病あり、軽度認知機能低下(単語遅延再生7点以下)は、リスクが3倍程度に増大していた。同居家族なし、生活満足度4点以下、うつ傾向あり、脳血管疾患あり、関節炎ありの者はそれぞれリスクが2倍近くに増大していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
26年度の研究計画は、死亡、疾病罹患、介護必要状態の発生、生活状態、転出などの転帰データを悉皆的に収集することであり、これは計画通り進んでいる。 また、αクロトー、アディポネクチン、高感度CRP等の濃度を測定することも計画されているが、一部項目を変更した。測定自体は進めているが、一部に適切に測定できていない項目もあって原因を精査中である。 データの収集や検体測定の待ち時間を利用して、収集済みのデータで予備的解析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
一部に測定項目の変更もあるが、全体の大枠は当初の方針に従って進めていく。予備的な検討を含めて論文化できるものは分担して執筆・投稿する。
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Causes of Carryover |
血液検体の保管と測定の一部が研究者の個人的努力によって行われたこと、データ処理用パソコンの購入を先送りしたことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ処理用パソコンの購入
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Research Products
(4 results)