前高齢期から高齢期を見通し、予防医療や行政施策を個別化するための予測モデルの作成

2016 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 26520105
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 川村 孝 京都大学, 環境安全保健機構, 教授 (10252230)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 若井 建志 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50270989) ; 玉腰 暁子 北海道大学, 医学研究科, 教授 (90236737)
• Project Period (FY): 2014-07-18 – 2018-03-31
• Keywords: well-being / 要介護 / 予測モデル / 地域コホート研究

Outline of Annual Research Achievements

１．予備的解析の進展
データ集積がやや遅れていた最終年度分を除いた仮データベースを用いて、予測モデルの重要な構成因子候補となる64歳時のベースライン項目と70歳までの老研式活動能力指標の低下との関連についてさらなる検討と考察を深めた。2016年9月のアジア太平洋公衆衛生学術連合国際会議（東京）でその成果を報告し、現在は論文投稿の準備中である。
２．予測モデルの作成
データの収集と一次データベースの構築が完成したところで、64歳時点の健康診断で得られたコアな問診・検査項目から、75歳までの死亡または要介護2以上（以下、要介護）の発生を予測するモデルを、対象者全体および男女別に作成した。解析対象者2865名（男性1445名、女性1420名）のうち、75歳までに死亡または要介護に至った者は324名（男性216名、女性208名）だった。
最初に64歳時の各種項目と75歳までの死亡または要介護との関連について単変量ロジスティック回帰モデルにより分析した。次に予測モデルに用いる要因の候補を絞り込むため、単変量回帰分析の結果でp値が0.2以上であった全ての項目を多変量解析に投入し、ステップワイズ法にて各因子のp値が0.05未満で揃うまで減らし、残った因子で予測モデルを作成した。男性では、喫煙、高脂血症、糖尿病、腎臓病、肝炎、歩行速度、結婚、間食の頻度が要因に残り、予測式の分離性能（C統計量）は0.69、モデルの較正（Hosmer-Lemeshow［HL］検定）のp値は0.61であった。女性では、喫煙、脳血管疾患、糖尿病、腎臓病、歩行速度、BMI、飲酒量、間食の頻度、生活満足度が要因に残り、予測式のC統計量は0.72、HL検定のp値は0.77であった。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

フィールドからのデータ提供が遅れたために今年度の研究成果は限定的であるが、次年度には予測モデル作成は達成できる見込みである。

Strategy for Future Research Activity

今後は、投入する各項目についてさらに精査し、また投入する64歳時点の項目をコアなもの以外にも拡大して、より予測能の高いモデルが構築できるかどうかを検討する。また作成した予測モデルの妥当性について、ブートストラップ法またはスプリットサンプル法を用いて検証を行う。

Causes of Carryover

1

Expenditure Plan for Carryover Budget

1

Research Products

• [Presentation] H. Factors associated with the decline in competence of daily living among Japanese early-elderly: findings from the NISSIN prospective cohort study (2016)
  • Author(s): Okabayashi S, Kawamura T, Tamakoshi A, Ukawa S, Wakai K, Ando M, Tsushita K, Ohira
  • Organizer: 48th Asia-Pacific Consortium for Public Health Conference
  • Place of Presentation: Teikyo Univ, Itabashi, Tokyo, Japan
  • Year and Date: 2016-09-16 – 2016-09-19