2017 Fiscal Year Research-status Report
前高齢期から高齢期を見通し、予防医療や行政施策を個別化するための予測モデルの作成
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26520105
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川村 孝 京都大学, 環境安全保健機構, 教授 (10252230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若井 建志 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50270989)
玉腰 暁子 北海道大学, 医学研究院, 教授 (90236737)
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Project Period (FY) |
2014-07-18 – 2019-03-31
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Keywords | 地域コホート研究 / 予測モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、予測モデルに投入するベースラインの健診データを歯科検診や食事調査のデータにも拡大し、健診で得られたデータを広範囲に利用して性能の高いモデルを構築することとした。 研究の対象者は本研究者と日進市が準備した64歳住民用の健康診断を受診した者とし、歯科検診と栄養調査のデータのない者は除外した。転帰は、75歳到達年末までに死亡もしくは要介護状態(要介護2以上の認定)の発生とした。解析はロジスティック・モデルを用いて男女別々に行った。 モデル構築の手順は、(1)名義変数と順序変数は調査票のままの区分を用いて、また連続変数は四分位に分けて単変量ロジスティック回帰分析を行い、オッズ比、P値、およびROC曲線のAUCを算出した、(2)p値が0.1以下の変数を抽出した、(3)類似の変数についてはその臨床的意味ならびにAUC、オッズ比およびp値を考慮して1つのみを残した、(4)残った候補因子についてそれぞれの用量反応関係を確認し、3つ以上の区分からなる変数は2値変数に変換した、(5)上記で選択と再区分を行った変数を用い、ステップワイズ法にて各因子のp値が0.05未満で揃うまで減らし、残った因子で多変量ロジスティック回帰モデルを作成した、(6)モデルの弁別能(C統計量)を算定するとともに、Hosmer-Lemeshow[HL]検定でモデルの較正を行った。 その結果、男性では肺結核・胸膜炎、脳出血、間食・夜食、喫煙、家族歴のがん、夕食時間、塩味の選好、歩行速度、最終学歴、婚姻状況、居住年数、レチノール摂取量、収縮期血圧、GPT、クレアチニン、糖尿病が残り、予測式のC統計量は0.75、HL検定のp値は0.63であった。女性では脳血管障害、関節炎、食事量、飲酒、喫煙、夜食、塩味の選好、睡眠時間、夜間覚醒回数、生活満足度、Htが残り、C統計量は0.74、HL検定のp値は0.28であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究対象となる最終年度分のデータの集約がやや遅れたため、一次データベースの構築が完成しないまま、仮データベースにおいて解析を行う期間が長かった。現在、完成したデータベースを用いて予測モデルの構築を進めているが、予測能が十分に高い予測モデルを構築するためには試行を繰り返す必要があり、もう少し時間がかかる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
通常の健診では行われない歯科検診と栄養調査のデータをも含めて予測式を作成したが、予測能が大きく上がるわけではなかった。両データが揃っている者は健診参加者の約80%であり、最終年度は予測に貢献する項目を十分に吟味してより精度の高い予測モデルの構築を目指す。加えて、構築した予測モデルの妥当性についてブートストラップ法を用いて検証を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究フィールドである愛知県日進市における対象者追跡データの集約が数ヶ月遅れ、それによってデータの入手および解析着手が遅れることとなった。現在、完成したデータベースを用いて予測モデルの構築を進めており、本年度において当初予定した事項に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)