2015 Fiscal Year Research-status Report
高齢・単身世帯化する地域の移動需要変化とモビリティに関する研究
Project/Area Number |
26520106
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
堀尾 容康 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 省エネルギー部門, 外来研究員 (70727403)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 厳寛 大阪大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (70393113) [Withdrawn]
岡部 明子 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (70361615)
|
Project Period (FY) |
2014-07-18 – 2017-03-31
|
Keywords | 高齢・単身世帯化 / 移動・モビリティ / 地域 / 自動運転 / エネルギー / 都市計画 / 交通工学 / 制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、急速に高齢化が進む都市郊外部コミュニティの移動問題に焦点をおき、福岡・佐賀県にまたがる筑後川流域生活圏を対象に、多様化し時間とともに変化する高齢者・世帯の移動需要を克明に把握するとともに、新しい自動運転システムとのマッチング、および制度的かぢについて、地域の行政と都市計画、交通高額、エネルギーを担当する研究者が協力して分析を行う。これにより個と地域の「老い」の観点からこれまで乗り合いバス等の大量輸送期間が担ってきた生活に必要な移動を新しいモビリティ手段で再構築する方向性を明らかにすることを目的としている。
(1)「老い」と移動ニーズの多様性と変化 本研究は、我が国の中でも人工減少と高齢化に直面する典型的な地域として筑後川流域地域(基山町、鳥栖市、久留米市、小郡市など)等を対象に、高齢者世帯を対象にサンプリングを行い、調査を進め、この成果をもとにデータ構築を行い、年齢と世帯構成、居住地域等の特性によって多様化する「老い」と移動ニーズの実態とその変化の定量分析を行い、モデル化を行った。 (2)複数の学術分野による新交通システムとのマッチング分析 (1)の把握をもとに、交通高額と建築学、エネルギーシステムと都市高額、さらに行政の観点から自動運転技術による新交通システムとの2つのマッチング、(i)華麗によって多様に変化する高齢者・世帯ライフスタイルと移動手段の機能的マッチング、(ii)高齢者世帯・新しい移動手段と既存交通システム・都市計画との社会的マッチングについて行政(都市計画、交通管理、環境保全、高齢者支援)、輸送メーカーへのヒアリングを行い、その方向性を確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、平成26から28年度の3カ年計画であり、本申請段階において研究者間と組織間の協力と分担を明確しつつ進めている。このため、研究着手から迅速に、初年度(地域調査)、次年度(=本年度、機能と社会的マッチング)、最終年度(総括と提案)にそれぞれ重点を置いて実施を進めている。本年度は、昨年度(=初年度)におけるデータ構築、ヒアリング対象先決定に基づき、具体的な分析とヒアリングを実施した。
|
Strategy for Future Research Activity |
(1)「老い」の多様性 これまで、加齢化による買物、医療サービス、余暇などの移動パターンの連続的変化、伴侶の死別等による孤立・単身化など不連続的な変化について定量的な把握が行われる。これらは、調査対象地域の調査時点の一断面の情報にすぎないものの、「老い」の多様性を実証的に明らかにし、モデル化を行った。次年度(=最終年度)は、これらを総括し、モデル毎の交通システム計画のあり方について方向性を抽出する。 (2)モビリティシステムの社会実装のための対応に向けた研究により、実用化開発が進むものの社会実装が遅れている全自動輸送システムについて、その要因としての住宅、都市計画、エネルギーシステム上の対応課題に関する現状分析を行い、そのまとめを行う。 (3)「老い」と持続社会との関係において、日本では「老い」「単身世帯化」「居住・生活用エネルギー消費効率悪化」とする研究結果が見られる中、乗合バス等からパーソナル交通システムに転換することによるエネルギー消費の効率化として「老い=持続性社会」の良好な関係を構築するための先進的地域を事例として取り上げる。 (4)上記(1)(2)(3)を通じ、我が国が新しいモビリティモデルを構築することによる豊かな社会像を提案し、「老い」に対応することが、移動が容易で子供も産み育てやすい環境のためのビジョンを示す。
|
Causes of Carryover |
アルバイトを使い、データ入力作業・図表等作成作業を行う予定だったところ、研究者本人が作業をしたなどにより当初予定より支出が減少した。また、旅費について、詳細な情報を自治体から提供いただいた等により見込みより減少した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終成果とりまとめ、データ・ケーススタディのため、次年度においてアルバイト、旅費を執行する計画。
|