2017 Fiscal Year Annual Research Report
New principle of cryptosystem via translation of Diophantine equations
Project/Area Number |
26520208
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
平田 典子 (河野典子) 日本大学, 理工学部, 教授 (90215195)
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Project Period (FY) |
2014-07-18 – 2018-03-31
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Keywords | 暗号方式 / 多項式暗号 / ディオファントス方程式 / ディオファントス近似 / 鍵共有方式 / 安全証明 / 共通鍵 / 単射写像 |
Outline of Annual Research Achievements |
多項式暗号とディオファントス方程式の整数解の求解困難性をむすびつけた新しい暗号方式に関し,株式会社東芝研究開発センターコンピュータアーキテクチャ・セキュリティラボラトリーの秋山浩一郎氏との共同研究をおこなった.いくつかの成果が得られたが,主な内容の一部については「多項式写像を用いた鍵共有方式」というタイトルでSCIS(暗号と情報セキュリティシンポジウム)において報告した.その概要は,ある種のディオファントス方程式およびそれから派生した多項式写像の求解困難性に安全性の根拠をおく耐量子鍵共有方式を提案したものである.多変数写像の利活用によってこの暗号方式は,Honestな参加者の下で実現されたプロトコルに関し送信データを観測できる敵が共有鍵を復元できないという意味で安全証明可能となるものである.その証明も与えられており,この方式をさらに発展させた方式を,秋山氏および日本大学理工学部助手の伊藤勝氏、日本大学生産工学部助手の中村周平氏との共著論文として投稿した.この投稿論文については,既に多項式写像暗号の専門家から,新規性があることが認められている.またJacobian予想との関連で得られた多項式写像を用いた暗号方式の考究も実施した. なお本研究の基盤となるディオファントス近似およびディオファントス方程式についての考察も進めることができた.特にディオファントス方程式の整数解の媒介変数表示に関連のある関数の値についての考察をフランスのパリ大学教授S. David氏およびフランスのストラスブール大学教授のY. Bugeaud氏と共同研究をおこなった.さらにいままで未解決であった,超越関数の値の無理数性および代数体上の一次独立性についてのディオファントス近似を鷲尾勇介氏・伊藤勝氏と共同で証明し,査読付論文を出版した.
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