2014 Fiscal Year Research-status Report
ゲーム意味論に基づく新しい論理体系の構築とその複雑さの解析
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26540001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 一之 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70188291)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 数理論理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ゲーム意味論を用いて表現力豊かな新しい論理体系を提案し、その記述力や複雑さに関する高次計算論(higher recursion)的な考察を行いながら、逆にその体系を用いて不完全情報ゲームやネットワーク推論の特性を考査するものである。初年度においては、代表者は協力者たちとの研究打ち合わせや情報交換によって、この研究遂行の前提となる非標準論理システムや高次計算に関する関連結果について知見を得て、ゲーム意味論的考察を進めた。様々な研究集会に参加し、また研究機関を訪問して、得られた知見について報告すると共に、関連分野の研究者のフィードバックを得た。 具体的な成果としては、決定性プッシュダウンの様々な変種によって認識されるω言語ゲームに対して必勝法をもつプレイヤーがエフェクティブに判定できるのに対して、必勝法が計算不可能で、必勝者もエフェクティブには決定できないゲームを定義する決定性プッシュダウンの亜種が存在することが院生の李文娟との共同研究で分かった。そして、この結果を証明論におけるWeiermannの相転移と比して、決定問題の相転移現象として捉える見方を提唱して、情報処理学会等で報告するとともに、さらに類似の現象を探求した。また同時に、Weiermannの相転移を高階算術に一般化することを外国人研究員のPelupessyらと試みている。さらに、ゲーム木のランダム入力に対するクエリ複雑さに関する共同研究をシンガポールの彭氏らと行った。最後に、μ計算とゲーム量化子の関連性について調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
決定性プッシュダウンの亜種によって認識されるω言語ゲームに対して、必勝法が計算不可能で、勝者もエフェクティブには決定できないという結果は院生の李文娟との共同研究で、京都大学数理解析研究所等で報告した。それを相転移現象と捉える見方は情報処理学会等で報告している。また、ゲーム木の研究を含め、海外との研究交流を活発に行っている。ただ、研究が多方面に拡大し、発表が追いついていないという問題は多少あるかもしれない。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に得られた知見を基にして、新しい論理システムを構築していくが、その際、非標準論理、不完全情報確率ゲーム、μ計算の視点および諸結果をどう組み合わせるかが鍵となる。前年度は、ある種のゲームと計算モデルとの関係、ゲーム木に対する確率アルゴリズムなどを研究したが、今後それらの結果をさらに発展させ統合するとともに、新たな知見を加えて高次計算論的関係に一般化させながら、不完全情報ゲームやネットワーク推論の特性を考査していく。
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Causes of Carryover |
ゲームの計算論的分析が予想以上に幅広く多角な研究に発展し、また決定問題の相転移現象という新たな視点も生み出したので、論文をまとめ発表する計画が遅くなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度内に研究発表を複数回行うため、その旅費に差額を用いる。
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Research Products
(7 results)