2015 Fiscal Year Research-status Report
通信複雑性に対するブラインド量子計算による方法論の確立
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26540002
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
小柴 健史 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (60400800)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 量子計算 / 準同型計算 / 格子暗号 |
Outline of Annual Research Achievements |
量子ブラインド計算は,サーバとクライアント間の二者間プロトコルで,クライアントの持つアルゴリズムとその入出力を漏らさずにサーバに代理計算を行わせることができる。今年度は,量子ブラインド計算の通信効率との比較対象との観点から,代理計算を行わせる他の暗号技術である準同型暗号計算に着目し,格子問題に基づく準同型暗号のための効率的データ埋め込み手法の可能性を検討した。このデータ埋め込み手法をもとにして,データを秘匿したまま統計量(平均値や分散)を計算する効率的な手法を提案した。また,格子理論をもとにした暗号方式の鍵依存安全性を利用した,暗号化データの所有権を移譲する効率的な手法を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画当初は,量子ブラインド計算技術だけを対象に研究を進めれば十分と考えていたが,古典暗号技術による類似技術に関する研究も進め比較対象を十分に把握してから,量子ブラインド技術計算による通信効率評価を行うべきであると考え,多少回り道のアプローチを取る方が最終的にはよいと判断した。そのため,当初計画から若干遅れることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の研究成果により,比較対象が明確になったので,本来の研究計画に則って研究計画を遂行する。ただ,計画の遅れを取り戻すことは容易ではないので,通信効率のついて最も顕著に有利になる課題を選定することにより,量子ブライド計算による通信量評価というアプローチの有効性を示すことを考える。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は10,000円未満と少額であり昨年度中に無理に利用するよりも今年度の本来分と合算して利用する方が合理的であると考えたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初予定通り,研究成果の発表に伴う海外および国内旅費に利用する。また学会発表には学会参加費も必要なのでそれについても本基金から充当する。
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Research Products
(9 results)