2016 Fiscal Year Annual Research Report
Communication Complexity based on Blind Quantum Computation
Project/Area Number |
26540002
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
小柴 健史 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (60400800)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 量子計算 / 準同型暗号 / 格子問題 / 公開検証 / 秘匿計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
量子ブラインド計算は,サーバとクライアント間の二者間プロトコルで,クライアントの持つアルゴリズムとその入出力情報を情報理論の意味において漏洩せずにサーバに代理計算を行わせることができる。 量子ブラインド計算の通信効率との比較対象の観点から,代理計算を行わせる他の技術である準同型暗号を用いた秘匿計算に着目した。格子問題に基づく準同型暗号を利用して,データベースを秘匿検索する技術を幾つか提案した。データのプライバシーを保護したままデータベース内の属性値が一致するデータを一括して抽出する手法,データを暗号化したままで複数の文字にマッチできるワイルドカードを利用したパターン照合する手法を考案した。これらの提案手法が現実的な意味で効率的に動作することを確認するために計算機実装を行い,既存の方式よりも効率的であることを確認した。 また,量子ブラインド計算において,参加者が不正を行ったときに不正検出はできるが,不正を指摘されたときにそれを否認されてしまうと正当化できないという問題がある。この問題に対応するための従来技術として,公開鍵暗号技術を利用して第三者に検証させる方法があったが,安全性(プライバシー)の根拠が計算量理論的なものに低下してしまう。これに対して,量子ブラインド計算の途中に第三者が仲介者としてプロトコルに関与する形の方式を提案し,安全性(プライバシー)が情報理論的であることを保証することに成功した。
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