2014 Fiscal Year Research-status Report
ディペンダブルプロセッシングコデザイン型3次元プロセッサアーキテクチャの創出
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26540018
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 広明 東北大学, サイバーサイエンスセンター, 教授 (40205480)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 3次元メモリ / ディペンダビリティ / チェックポインティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,3次元積層メモリを活用したディペンダブル機構の基本設計とその評価を行った.本機構は,3次元積層技術を利用してマイクロプロセッサ上に通常メモリとチェックポイント用メモリを搭載し,全システムのメモリイメージをチェックポイント用メモリに定期的にバックアップするものである.これにより,エラーが発生した場合にバックアップデータに基づく実行のロールバックを行い,プログラムの実行状態を回復することができるため,マイクロプロセッサが実行するプログラムやデータを保護可能である.これにより,マイクロプロセッサのディペンダビリティを向上させることが可能である. 本機構における通常メモリとチェックポイント用データメモリは,3次元積層技術を用いてマイクロプロセッサ上に積層するDRAMを用いる.3次元積層技術では,PCB基板上にマイクロプロセッサとDIMMを実装する2次元実装と比較して,マイクロプロセッサとメモリの間の通信バンド幅を約3倍,メモリシステム内でのDRAMコマンドの実行に必要な時間を約3分の2まで削減させることが可能である.これにより,従来と比較してより低いオーバーヘッドで定期的なバックアップを取ることができる. 評価は本機構の検証のために作成されたシミュレータによって行った.シミュレーションの結果,2次元実装の場合のディペンダブル機構と比較して平均で13%の性能向上が得られることが明らかとなった.また,メモリ階層の消費エネルギは平均で26%削減されることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成27年度は、システムの完成に向けて、提案システムの詳細な評価と,それに基づくアーキテクチャ改良を行う。様々なアプリケーションを用いたシミュレーション評価を実施する。成果は国内外の会議等で積極的に公開していく。
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Causes of Carryover |
初年度は、関連研究の基本調査、および提案システムの概念設計を実施したが、これらは研究代表者だけで効率よく行うことができたために、結果的に謝金を執行する必要がなくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度である平成27年度は、提案システムアーキテクチャの詳細な評価実験が必要なために、その実施のためのスーパーコンピュータを計画よりより多く利用することを考えている。また関連して得られた実験データの整理もより必要となる。また、予算に余裕ができたために、これまで対象から外していた国内外の学会等での発表も、積極的に行う。これらの研究を加速させるための取り組みに、使用する。
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Research Products
(2 results)