2015 Fiscal Year Research-status Report
ビッグデータ指向型ネットワーク:複雑ネットワーク理論に基づく物理と仮想の融合
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26540032
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 寧 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (00236168)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ビッグデータ / ネットワーク仮想化 / 複雑ネットワーク理論 / 分散処理 / 広域ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
ネットワーク上で生成される膨大なデータを利用・解析し、革新的なサービスやビジネスモデルを創出するビッグデータ解析が注目を集めている。ビッグデータ解析では、アクセス網やコア網、データセンタ網などネットワーク全体の資源の効率的な利用が必要とされており、ネットワーク全体を最適化する広域ネットワーク仮想化技術の実用化が望まれている。しかしながら、広域ネットワーク仮想化に関する議論は始まったばかりであり、未だ確固たる技術は開発されていないのが現状である。そこで本研究では、複雑ネットワーク理論に基づく広域ネットワーク仮想化技術を開発することにより、ビッグデータ解析の要求品質を保証可能なビッグデータ指向型ネットワークの創出を目指す。 本年度は、前年度に構築した数理モデルを用いて、物理・論理ネットワークの関係性を最大限利用した論理ネットワーク構築技術、データ分散配置技術、通信経路制御技術の3つのコア技術を個々に開発した。 さらに、ネットワークシミュレータを用いて考案した技術の基本性能の評価を行った。このため、考案したアルゴリズムやプロトコルをネットワークシミュレータに実装する作業、並びに実験データの整理・管理作業などが生じたが、これには申請者の研究室所属の大学院生を動員した。 継続して学会等での研究成果発表を積極的に行い、本研究分野の最新動向の把握、関連研究の調査や情報収集も継続して行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初の計画通り、ネットワークシミュレータを用いて考案した技術の基本性能の評価を行った。次年度の研究計画も順調に検討が進んでおり、本研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度はビッグデータサービスの多様な品質要求に対応可能なネットワーク技術の創出を目的とし、平成27年度から継続して物理・論理ネットワークの関係性を最大限利用した論理ネットワーク構築技術、データ分散配置技術、通信経路制御技術の3つのコア技術を個々に開発する。個々の開発が完了次第、論理ネットワーク構築技術、データ分散配置技術、通信経路制御技術の3つのコア技術を連携協調させるための技術開発を行う。 考案した技術の性能評価は主にネットワークシミュレータを用いた実験によって行い、得られた結果は密にフィードバックし連携技術の高度化を図る。 関連研究に関する情報収集や関連資料の整理、提案手法をネットワークシミュレータに実装する際のプログラミング等の作業、パラメータや環境設定を変更して繰り返し行う実験の補助並びに実験データの整理などでは、大学院生等を動員する。また、各種学会等での研究成果の発表資料や、論文誌等へ投稿する原稿等の作成も大学院生と共同で行う。
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Causes of Carryover |
研究成果の発表を行う予定だった国際会議、学術論文誌への投稿の予定が変更となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際会議、学術論文誌への投稿のための費用として使用予定。
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