2015 Fiscal Year Annual Research Report
アナログCDMA通信方式を用いた構造モニタリングに関する研究
Project/Area Number |
26540033
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 誠 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (20615257)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アナログCDMA / センサノード / 構造モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に開発を行ったプロトタイプセンサノードを用いて評価を行いて,センサノードの実装を行い,マルチホップに起因する遅延増加などの性能劣化がないこと,時刻同期やルーティングの仕組みが不要となるため,センサネットワークの構築が容易となることが確認できた.また,FM変調指数や拡散率などのパラメータチューニングを行った.変調指数の増大によって,ロバスト性を高められるものの,帯域の増大によりノイズが増加するため,これらのトレードオフを考慮して値を設定する必要があった.さらに,本プロトタイプセンサノードを用いて,振動台を利用して実証実験を行った.具体的には,同一の振動台上にアナログCDMAセンサノードを配置し,参照用センサの出力と比較することで,収集されるデータのSN比の評価を行った.性能評価によれば,20dB程度のSN比を実現可能であり,スマートフォンで利用されているような数100ug/√Hz程度の加速度センサを利用するには十分な性能を実現でき,斜張橋のケーブルなどの測定には十分な精度を実現できることが分かった.直流成分の保持が困難であるため温度のモニタリングなどへの適用は困難であるものの,数Hz以上を有する信号であれば,本方式を適用可能であると考えられる.今後,遠近問題や,台数増加時に非直交成分の増大によるSN比の劣化や,直流成分の保持,フェージングへの対応といった課題に取り組むことを考えている.
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