2014 Fiscal Year Research-status Report
三次元仮想空間を利用したデバイスインタラクションに関する概念の確立
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26540038
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
佐藤 健哉 同志社大学, 理工学部, 教授 (20388044)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 拡張現実感 / ユーザインタフェース / 家電機器制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
コンピュータ操作において現在広く普及しているWIMP(Window, Icon, Menu, Pointer)に基づくユーザ・インタフェースは,利用者がその概念を共通理解しているため,新たな学習をすることなく利用可能となる.将来普及すると予想されるメガネ型デバイス(例:Google Glass)を利用して,生活空間の多種多様な機器の状況を理解し操作する状況においても,利用者共通の概念が必要となる.本研究では,三次元仮想空間を通して物理世界とのインタラクションを実現することで汎用性の高いサイバー・フィジカル・ユーザ・インタフェース(CyPhyUI)という新しい概念の確立を行う.概念の共通理解により,年齢に関わらず様々な利用者が,詳細な情報提供や高度な入力を行うユーザ・インタフェースを保持しない身の回りの機器であっても,その状況を容易に理解し操作すること(デバイスインタラクション)が可能となる. 仮想空間の情報を基にした現実空間のデバイスの特定や,現実空間のデバイスと一致する仮想空間上のデバイスの特定が困難になる問題に対応するため,本研究では,拡張現実感技術によるネットワークの可視化・制御が可能なプラットフォームを開発した.提案プラットフォームでは,ネットワークの可視化・管理のための機能をプラットフォーム上で実現し,アプリケーション側にその機能をAPIとして提供する.そのため,アプリケーションは容易に複数の無線通信規格へ対応可能になり,アプリケーションの使い分けの問題を解決した.また,拡張現実感技術を用いた可視化・管理が可能になり,仮想空間と現実空間の不一致問題を解決し,性能評価の結果から提案プラットフォームに問題がないことを検証した.関連研究との比較により,本論文の問題点を解決する手法として,提案プラットフォームを利用したアプリケーションを実現することが有効であることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
三次元仮想空間を通して物理世界とのインタラクションを実現することで汎用性の高いサイバー・フィジカル・ユーザ・インタフェースのための基本部となるソフトウエア開発プラットフォームを構築できた点,また,このプラットフォームを利用して実際の家電を操作でき,既存の関連研究と比較して,ユーザ・インタフェースとしての効率性を確認できた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として,メガネ型デバイスを利用して,指の動きをカメラで認識し,その指をペンに見立てて空間へ描画する.描画した手書き情報は,スマートグラスを通して見るようにし,サーバを用いてユーザ間で共有出来るシステムの構築を行う.スマートグラスに内蔵されたカメラで記録した手書き情報は無線 LAN(Local Area Network)を用いてサーバに送信する.また,位置情報を元にサーバからデータを受信し,他ユーザからの手書き情報も表示する. 仮想空間において手書き情報を共有することが出来る.仮想空間のみで情報の表示を行うため,現実空間における情報を減らすことが出来る.また,複数モードの切り替えにより,自分にとって有用な情報を表示出来るため,情報の選択が容易になる.手書き情報の描画において,特定の機器を用いることがないため,ユーザは手軽に操作することが可能となる.スマートグラスを利用することで,スマートフォンのようなモバイル端末とは違い,手が塞がらないため,操作の自由度が増加する.
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Causes of Carryover |
研究が順調に進み,人件費・謝金の支出がほとんど不要となった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は,人件費・謝金に支出するとともに,研究成果の発表のための旅費として支出する予定である.
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