2015 Fiscal Year Research-status Report
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26540045
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
義久 智樹 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (00402743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 昌彦 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60273588)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | スマートセンサ情報システム / コンテンツ・アーカイブ / 移動体通信 / ビッグデータ / ストリートビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、利用者が指定した任意地点の定点ライブビュー(任意地点ライブビュー)を実現することである。ストリートビューの次は定点ライブビューである。定点ライブビューとは定点で撮影されたライブ映像を視聴することである。本研究では、定点ライブビューの空間差異および時間差異を考慮してライブ映像を配信する。空間差異とは、利用者の視聴したい地点の定点ライブビューを、近い地点の定点ライブビューで代替する場合に発生する空間的なズレである。時間差異とは、リアルタイムな定点ライブビューを、近い時刻の定点ライブビューで代替する場合に発生する時間的なズレである。各研究項目における研究実績の概要は以下である。 項目1:移動型カメラの選択戦略:空間差異および時間差異は小さいほど利用者が指定した地点に近い最近の定点ライブビューを提供できるが、これらは独立して変化するため、平成27年度は、利用者の要求に応じて適切な移動型カメラを選択する手法を明らかにした。例えば、利用者が指定した地点Aと、地点Bの空間差異は小さくて時間差異は大きく、地点Cの空間差異は大きくて時間差異は小さい場合を考える。利用者が地点Aの飲食店の様子を知りたい場合には地点Bの定点ライブビューを提供し、地点Aの天気を知りたい場合には少し離れていても天気はあまり変わらないため地点Cの定点ライブビューを提供する。 項目2:ライブ映像の生成戦略:移動型カメラが撮影した映像を保存しておくことで、時間差異が大きい定点ライブビューを提供できる。映像のデータサイズは比較的大きいため、サーバに集約させて保存する場合、多数の移動型カメラがあると膨大な記憶容量が必要になる。そこで平成27年度は、移動型カメラが映像を保存しておき、サーバが利用者の要求に応じて移動型カメラから映像を取得する手法を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初、空間差異および時間差異のみを考慮してライブ映像を配信する計画であったが、研究が予想以上に進展し、移動型カメラの電池残量やネットワーク接続性といった性能差異も考慮してライブ映像を配信するまでに至った。ネットワーク接続性は、安定してインターネットに接続している指標であり、単位時間当たりの接続回数から算出する。算出するために接続回数を計測する必要があるため、移動型カメラのソフトウェアに計測する機能を組み込んだ。また、ライブ映像の画質やサイズといった映像差異も考慮してライブ映像を配信するまでに至った。、これらの値は、移動型カメラの性能を記述したファイルから取得できる。さらに研究が予想以上に進展し、移動型カメラへのアクセス頻度やアクセス集中度といった人気も考慮してライブ映像を配信するまでに至った。人気は、任意地点ライブビューサービスを提供するサーバ側で算出できる。これらの理由から、本研究は当初の計画以上に進展しているといえる。 研究代表者は、本研究に関連した研究開発成果により、大阪大学総長奨励賞を受賞している。また、国内の100人規模のワークショップである情報処理学会マルチメディア通信と分散処理ワークショップ(DPSWS2015)において本研究成果を発表したところ、研究成果は特に優秀と認められ、優秀論文賞を受賞するに至っている。さらに、本研究成果を活用したシステムを開発し、国際会議GCCEや国内フォーラムDEIMで運用してフィールド実験も行っている。これらのフィールド実験は今後も推進し続ける予定であり、本研究は、今後の発展も期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、これまでの比較的少ない移動型カメラに対する研究内容を進化させ、多数の移動型カメラを用いて任意地点ライブビューを実現する。共有サイトにアップロードされた動画や画像も利用し、空間差異および時間差異、性能差異、映像差異、人気等も考慮したライブ映像配信を実現する予定である。さらに、利用者によるズームやパンといったカメラ操作も考える。以下の項目に分けて研究を推進する。 項目1:移動型カメラの選択戦略:多数の移動型カメラを操作できる場合、ズームやパンを行うことでさらに空間差異および時間差異を小さくできることがある。例えば、ある移動型カメラの撮影方向を右に90度動かすことで、利用者が指定した地点を撮影できて空間差異を小さくできる場合や、利用者が指定した地点を撮影した移動型カメラがあるが、撮影時刻が古く、他の移動型カメラの撮影方向を操作する方が利用者の要求に応じた任意地点ライブビューを提供できる場合が考えられる。そこで平成28年度には、カメラ操作も考慮したうえで利用者の要求に応じて適切な移動型カメラを選択する手法を明らかにする。 項目2:ライブ映像の生成戦略:多数の移動型カメラから映像を取得する際、遅延や再生途切れが発生する問題がある。特に移動型カメラは、移動により通信状態が不安定になるため、平成28年度には、研究代表者らがこれまでに提案してきた手法を移動型カメラ用に進化させて解決する。サーバは、取得した映像から利用者の視聴に適切なライブ映像を生成する。例えば、利用者が指定した地点を中心としてVGAサイズ(640x480)で映像を表示する場合に、右半分が移動型カメラ1で撮影されていて左半分が移動型カメラ2で撮影されていれば、取得した2本の映像を合成することが考えられる。
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Causes of Carryover |
現在までの達成度に記述したとおり、当初、空間差異および時間差異のみを考慮してライブ映像を配信する計画であったが、研究が予想以上に進展し、移動型カメラの電池残量やネットワーク接続性といった性能差異も考慮してライブ映像を配信するまでに至った。算出するために接続回数を計測する機能を開発した。また、ライブ映像の画質やサイズといった映像差異、アクセス頻度やアクセス集中度といった人気も考慮してライブ映像を配信するまでに至った。さらに、カメラ特性を記述したファイルから性能を取得する機能と人気を算出する機能を備えたソフトウェアを開発した。これらの研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額が異なり、やむを得ず次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額が生じたが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含めて当初予定を拡充しつつ計画を進めていく。 物品費:プログラム開発および論文執筆用のパソコンや、研究成果バックアップ用の大容量HDなどの消耗品を購入するために使用する。様々な移動型カメラの性能を確認するため、これらを購入するために使用する。研究内容をまとめた論文を配布して成果をアピールするための論文別刷り代に使用する。旅費:国内調査、国内成果発表、外国調査、外国成果発表のための旅費として使用する。メジャーカンファレンスでの成果発表を予定している。人件費・謝金:外国成果発表を効果的に行うための論文校閲費等に使用する。その他:著名な論文誌で研究成果を発表するための論文掲載料や学会参加のための参加費に使用する。
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Research Products
(8 results)