2015 Fiscal Year Annual Research Report
可視光反射・吸収特性を利用したプライバシーバイザーの研究
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26540048
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
越前 功 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 教授 (30462188)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プライバシー保護 / 顔認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,[目的2]自然な人対人コミュニケーションを実現するプライバシーバイザーの実現の検討を実施した.平成26年度に実施した[課題1-1]および[課題1-2]の検討結果に基づいて,可視光反射フィルタを眼鏡やゴーグルなど人間が通常着用する物に貼付することで,プライバシーバイザーの基本実装を行うとともに,室内および室外などの多様な環境において,プライバシーバイザーを着用した人物が人対人のコミュニケーションに及ぼす影響度合の評価を行うとともに,撮影画像の顔検出処理に対する妨害度合いについて評価を行った. [課題2-1]プライバシーバイザーの基本実装 市販の複数種類の眼鏡およびゴーグルに対して,可視光反射フィルタを貼付し,プライバシーバイザーとして実装した.プライバシーバイザー着用による視覚的な違和感を低減しながら,顔検出アルゴリズムの妨害度合いを向上するために,可視光反射フィルタの反射領域や反射パターンを調整するといった対応を実装時に行った. [課題2-2]自然なコミュニケーションとプライバシー保護を両立するプライバシーバイザーの実現 室内および室外などの多様な物理環境で[課題2-1]で検討したプライバシーバイザーを評価者に着用してもらい,人対人のコミュニケーションに及ぼす影響度合を評価した.同時に,複数の方向・距離からプライバシーバイザーを着用した人物の撮影を行い,顔検出処理の失敗率を測定した.上記の評価結果および測定結果に基づいて,人対人のコミュニケーションに及ぼす影響度合が低く,顔検出処理の失敗率が高いプライバシーバイザーを選定・改良した.さらに,着用する人間の顔の個人差による影響が小さくなるように,プライバシーバイザーの可視光反射領域や反射パターンを調整し,自然なコミュニケーションを維持しながら,個人の同定を効果的に防ぐプライバシーバイザーを開発した.
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