2015 Fiscal Year Annual Research Report
過去の求解プロセス情報を活用する高性能な線形反復法ライブラリ
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26540052
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩下 武史 北海道大学, 情報基盤センター, 教授 (30324685)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ハイパフォーマンスコンピューティング / 線形反復法 / 数値解析 / 誤差修正法 / 電磁場解析 / 有限要素解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、線形反復法の誤差修正法に着目し、誤差修正法の鍵となる写像行列の自動的な生成法について研究を行った。特に、複数の連立一次方程式を逐次的に解かなければならない解析を対象とし、過去の求解過程から抽出した情報に基づき適切な写像行列を構成可能かどうかという点に主眼をおいて、研究を実施した。 研究の具体的な対象として、計算科学アプリケーションに頻出する時間発展型の偏微分方程式の問題をとりあげ、新しい写像行列の構築法を提案した。本手法では、先行する求解過程において、近似解ベクトルのいくつかをメモリ上に格納し、それらに基づいて修正行列を構築する。提案手法では、実応用面への展開を考慮して、非常に少ないメモリ量で近似解ベクトルの選択が可能となるようにした。 平成26年度には、提案手法を2次元解析の問題に応用し、その性能を検証した。その結果、提案手法により得られた写像行列を用いた誤差修正法により、後続の求解過程を高速化できるという当初の研究の目論見通りの結果が得られた。そこで、平成27年度では、より実用的な応用における検証を目的として、3次元渦電流場解析に提案手法を応用し、その効果を調べた。その結果、同解析においても後続の求解過程を収束性、計算時間の両面で高速化することができることが示された。
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