2014 Fiscal Year Research-status Report
大規模分散可視化管理制御機構VaaSを中核としたデータサイエンス・プラットホーム
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26540053
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
下條 真司 大阪大学, サイバーメディアセンター, 教授 (00187478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊達 進 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (20346175)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | タイルドディスプレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、複数の研究拠点の研究者らが地理的に分散する科学データ、計測処理された解析結果の意味を直感的に理解できるよう可視化・共有し、協調・連携して大規模なデータを扱う科学研究を容易に行えるデータサイエンス・プラットホームを実現することを目的とする。本年度は、複数の研究拠点の研究者らが地理的に分散する科学データ、あるいは計算処理された解析結果の意味を直感的に理解できるよう可視化しつつ、協調・連携して研究開発を推進できる研究プラットホームの構築を目的とし、複数のタイルドディスプレイを中央集権的に管理・制御する大規模分散可視化管理制御機構の全体設計と機構内機能設計を主として実行した。より具体的には、下記3フェーズに基づいた研究を実施した。[phase 1] 脆弱性解析:本フェーズでは、ユーザとなる研究者および技術者のユースケースを考察する事により、通常処理と例外処理の両面からタイルドディスプレイ用ミドルウェアSAGEの脆弱性を解析した。[phase2]全体設計とモジュール設計:本開発フェースでは、前フェーズで明らかにした脆弱性から、複数のタイルドディスプレイを用いて構築するDS-Platformの耐故障性を向上させる管理・制御機構の詳細設計を行なった。[phase 3] 異常検知・復旧機能、ネットワークコネクション制御・管理機能の実装:本フェースでは、大規模分散可視化管理制御機構VaaSの中核機能の実装に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、平成26年度の研究開発計画として、[Phase 1] 脆弱性解析、[Phase 2] 全体設計とモジュール設計、[Phase 3] 異常検知・復旧機能、ネットワークコネクション制御・管理機能の実装、の3フェーズから構成した。 [Phase 1]は、ユーザとなる研究者および技術者のユースケース(使用パターン)を考察することにより、通常処理と例外処理の両面からSAGEの脆弱性を解析し、複数拠点のSAGEによるタイルドディスプレイを中央集権的に統括する大規模分散可視化管理制御機構VaaSを実際に構築する際の課題を明確にし、完了済みである。[Phase 2] は、上述の[Phase 1]における解析で明確化された、大規模分散可視化管理制御機構VaaSを構築する際に想定される SAGE の脆弱性から、複数のタイルドディスプレイを用いて構築するデータサイエンス・プラットホーム(DS-Platform)の耐故障性を向上させる管理・制御機構の詳細設計を行った。[Phase 3]では、上述の[Phase 2]での設計に基づき、本課題で構築する大規模分散可視化管理制御機構VaaSの中核であるタイルドディスプレイ異常検知・復旧機能、ネットワークコネクション制御・管理機能についての実装を推進した。 以上の通り、当初予定通りの[phase 1]~[phase3]を完了しており、本年度の達成度として、おおむね順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究での基盤技術となるタイルドディスプレイミドルウェアSAGEがバージョンアップされたため、技術調査を追加で行うことを計画しているが、当初予定に基づく研究計画に基づき研究を推進できると判断している。 次年度は、当初予定通り、本年度の[Phase 1]~[Phase 3]をふまえ、以下の2フェーズからなる研究開発を推進する予定である。 [Phase 4] クラウドインタフェースおよびDS-Platformの実装: [Phase 3]で実装するタイルドディスプレイ異常検知・復旧機能、ネットワークコネクション制御・管理機能を管理者、ユーザである研究者が容易に利用できるよう、クラウドインタフェースを実装する。 [Phase 5] 実証実験と評価による成果とりまとめ:本フェーズまでに実装した大規模分散可視化管理制御モジュールを実際に国際的な広域環境下に適用し実証実験を行う。
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Causes of Carryover |
年度中に本研究開発の基盤技術となるタイルドディスプレイ用ミドルウェアSAGEがバージョンアップされ、大幅なアーキテクチャ変更があったため、当初予定していた本研究のための大規模分散可視化環境構築のための物品購入を見直し、調査研究により重点を置いて実施したことから次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
年度中に発表されたタイルドディスプレイ用ミドルウェアSAGEの新バージョンの技術詳細調査のための大規模分散可視化環境構築、および、当該技術調査旅費の拡充を予定している。
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Research Products
(1 results)