2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26540067
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山田 祐樹 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (60637700)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 感情 / 情動 / 認知 / 身体化 / 意識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,人間の嫌悪感認知のメカニズムを明らかにすることである。この目的のもと行った本年度の研究成果は,国際専門誌に掲載された3本の学術論文([1]Yamada, Harada, Choi, Fujino, Tokunaga, Gao, & Miura, 2014, Frontiers in Psychology; [2]Yamada, Sasaki, Kunieda, & Wada, 2014, Appetite; [3]Sasaki, Yamada, & Miura, 2015, Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences)によって公表された。 [1]の研究では,博物館展示を鑑賞中に物体を持ち上げる運動を行わせた結果,鑑賞物や博物館への好意度が上昇したことを示した。これは体性感覚的に得られた重さ情報が鑑賞物の視覚的情報と統合された際に,鑑賞物への処理が促進されたためであると考えている。また[2]の研究では,イチゴとトマトの画像を合成した対象が嫌悪されるという申請者が以前発見した現象について (Yamada, Kawabe, & Ihaya, 2012, Advances in Cognitive Psychology),無意識レベルでイチゴかトマトのいずれかのニオイを呈示するとその対象への嫌悪が低下するという結果を示した。これは無意識的処理されるカテゴリ関連情報を利用してイチゴあるいはトマトとして対象を処理した結果,嫌悪感が逓減されたことを示唆する。[3]の研究では,情動刺激を観察後に上下運動を行なうと,上運動では画像が快に,下運動では不快に評価されることを発見した。これは視覚的に得られた情動情報と身体情報とが遡及的に統合されたためであると考えられる。 これらは本研究目的における解明の対象となる嫌悪感認知メカニズムにおいて,情動情報が他の感覚情報とどのように統合されるかという点について重要な示唆を与えている。 以上のことから本研究の進行は順調であると言え,研究費受け入れ期間内に研究目的を達する見込みは大きいと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初目標では期間内に3本以上の国際誌への掲載を挙げていた。これは1年目にして既に達成されている。したがって当初の計画以上に進展していると評価することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトにおける嫌悪感や不快感情に関する情報統合の様式はある程度理解が進んできている。したがって2年目は計画にあるように,動物における嫌悪感に関する研究を進めたいと考えている。
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Causes of Carryover |
物品購入が当初予定していたよりも安価になされたことと,人件費が少額となったため,繰越が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度では実験実施に注力する予定であるから,繰越分は主に実験補助に充てることを予定している。
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Remarks |
プレスリリース
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Weight lifting can facilitate appreciative comprehension for museum exhibits2014
Author(s)
Yamada, Y., Harada, S., Choi, W., Fujino, R., Tokunaga, A., Gao, Y., & Miura, K.
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Journal Title
Frontiers in Psychology
Volume: 5:307
Pages: 1-7
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] 情動の配置2015
Author(s)
山田祐樹
Organizer
第10回犬山比較社会認知シンポジウム
Place of Presentation
京都大学霊長類研究所
Year and Date
2015-02-28 – 2015-03-01
Invited
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