2014 Fiscal Year Research-status Report
感情的プロソディを変更した音声のフィードバックによる気分誘導方法の研究
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26540068
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
大島 千佳 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (10395147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 功一 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50418498)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 音声変換 / プロソディ / 朗読 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,目的とする感情に導くために,発話に含まれる「感情的プロソディ」をリアルタイムに変更する方法とその効果を明らかにする.今年度はまず,プロソディを変更することにより,聞き手が感じ取る話し手の感情が,どのような音響情報により操作されるか示した先行研究をサーベイした.利用された音響情報は10以上にのぼることがわかった.しかし,本研究のようにリアルタイムに変更することを目標とする場合には,これらの音響情報を同時に扱うことは厳しい.そこで,リアルタイムに音高と音量の変更のみを行うことで,話し手自身の感情が誘導されるかどうかを調べることを目標にした. レバー操作により,リアルタイムに変更するシステムを構築したが,使用時に雑音が多く実験に使える状態ではない.今後改良が必要である. そこで本年度は,実験協力者に1週間あけて2度にわたり実験に参加してもらい,1度目に録音した音声を変換して,2度目に聞いてもらう方法で実験を行った.1度目の参加では,協力者はこちらが指定した感情で,劇のセリフ(5種類)を朗読し,朗読時の感情を評価した.2度目の参加では,セリフにより「ポジティブ変換」「ネガティブ変換」「変換なし」の音声を聞いてもらい,1度目の参加時に朗読したときの感情を思い出して評価してもらった.その結果,1回目の朗読時の評価と,2回目のポジティブ変換と変換なしの音声への評価との間には,差異はなかったが,ネガティブ変換の音声への評価との間には,5/24の評価項目において有意な差異がみられた.実験協力者が鬱症状などがない健常者のために,ポジティブ変換との差異がみられなかったのではないかと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際に使用できる状態ではないが,リアルタイムに音声変換するシステムを構築した.また別の方法で実験を行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
システムに雑音が生じないように,専門家の意見を聞きながら改良を行う.システムを使って,リアルタイムに音声を変換した実験を行う.
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