2014 Fiscal Year Research-status Report
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26540071
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
石津 希代子 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 准教授 (10446180)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 聴覚生理反応 / 両耳分離聴 / 言語野同定 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である平成26年度は、聴覚生理反応と言語優位側の検討、両耳分離聴実験システムの改良を目標とし実施した。耳音響放射の測定方法の検討をするとともに、光トポグラフィを用いた言語野同定についてはパイロットテストを行い実施課題の検討をした。言語タスクとしてはword finding task (コンピュータ上に平仮名1文字を提示し、これで始まる単語を対象者にできるだけ多く想起させる)を用い、「筆記にて回答する」場合と、「口頭で答える」場合を計測し、どちらの方法で実験を進めていくかについて検討をした。それぞれの場合のレスト課題には、書字の場合には風景画の模写を、口頭の場合には「あいうえお」の連続発声を用いた。実験の実施状況を鑑みるとともに言語野の脳血液量の計測を行い、本実験においては言語タスクの回答を口頭で得る方法を採用することとした。 さらに、平成27年度実施予定の両耳分離聴実験に向け、既に開発済みである両耳分離聴実験プログラムの改良を行った。この両耳分離聴実験プログラムは、パソコンにA/Dコンバータを接続し、ヘッドフォンアンプを介して、アンプに接続したヘッドフォンにより、音刺激(/pa/、/ba/、/ta/、/da/、/ka/、/ga/を用いたCV音節対)を両耳に提示するよう作成したものである。本実験に合わせて全体の試行数・試行ブロックの調整を加え、左右耳の聴力閾値差に応じて、ヘッドフォンに提示する音圧を調整できるように、プログラムの変更を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はファイバセンサを購入し、耳音響放射の測定に利用することを検討した。ファイバセンサを導入することで左右耳の測定の安定性を増すことができるようになった。また本実験の要となる光トポグラフィの計測について、タスクの検討を行いほぼ実施形態を整えることができた。加えて、次年度に実施予定である両耳分離聴実験プログラムの改良も予定通り実施できた。パイロットテストの繰り返しに手間取ったため、データ収集は次年度に持ち越されたが、実験デザインの検討と方法が明確になったことから、おおむね順調に進展している、と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で実施する実験の準備は26年度にほぼ実行できたため、27年度は、聴覚生理反応の測定、両耳分離聴実験、光トポグラフィの計測の実施と、これらの測定結果の検証作業を進める。加えて、データ収集の際には、preference調査や注意機能の測定も行うようにする。データをできるだけ多く収集し、より科学的な結果にしていきたい。
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Causes of Carryover |
26年度は実験計画、パイロットテストの実施、27年度実験の準備を進めたため、実際にデータを収集し、それに伴い生じる予定であった人件費・謝金の支出が無かった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度は、26年度に計画した実験を遂行しデータの分析を進める。実験協力者への謝礼および、データ入力、整理などにアルバイトを雇用する予定である。
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