2017 Fiscal Year Annual Research Report
Attention training improves happiness levels
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26540075
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
山岸 典子 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報通信融合研究室, 主任研究員 (50395125)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 認知心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、空間的注意を拡大させるトレーニングを行うことで、その結果が社会的注意に移転し、その人の注意が自己から外にむけられるようになることで、幸福度が向上する認知手法の研究開発を主目的としている。今年度は、最終年度であるため、これまでに実施した全く新しい認知心理学的手法による実験データを論文としてまとめ、広く多くの人に成果を知ってもらう活動を行った。論文作成にあたり、論文誌から追加実験が求められ、10名の被験者データを追加して、解析を進めた。また査読者から大変建設的な追加解析が求められ、すべてに丁寧に答えることで、論文は論文誌に採択された。主な結果は、日常生活における刻々と変化する幸福度が高いときは、視覚探索課題という人間の基本となる機能が速くなることが明らかとなった。この研究成果はNICTから正式に報道発表された。日経新聞、朝日新聞を始め、多くの新聞、電子メディアに掲載された。特に朝日新聞からは取材を受け、非常に正しい研究内容が一般向けに紙面で紹介された。本研究全体として、当初設定した目標である「注意トレーニングによる幸福度の向上」の実現に向けた基盤研究は成し遂げることができた。具体的には、日常生活における日々刻々と変化する幸福度と空間注意の広さとの正の関係があることを心理物理的実験から明らかにした。ここでは、独自のアプリケーションを開発することにより、従来行われているような気分の想起を必要とせず、自然な心理変化を日々刻々と記録するとともに、信頼できる心理実験を実施することを実現した。その結果、仮説を支持する結果を得ることができた。これは、逆に心理物理的実験により空間注意を広げるトレーニングを行うことで幸福度を向上させることを示しており、これまでにない全く新しいうつなどの認知療法の開発への道筋を示すものとなった。
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Remarks |
NICT報道発表
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Research Products
(5 results)