2014 Fiscal Year Annual Research Report
膠原繊維を考慮した皮膚の3次元力学構造に基づく触覚解析モデルの開発
Project/Area Number |
26540082
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 由浩 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90432286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼田 信光 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (30135123)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 触覚 / 皮下組織 / 膠原繊維 / パチニ小体 / ひずみエネルギー密度 / 触覚センサ / 皮膚 / 広受容野 |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚は,機械受容器に対してメカニカルな情報処理を担っているといえ,触覚を考える上で無視できない.とりわけ,皮膚を構成する三層構造のうち,表皮,真皮については構造的特徴が力学的に解析されているが,皮下組織については均一として扱われることがほとんどである.これに対し本研究では,皮下組織における膠原繊維に注目し,これを含んだ皮膚構造の3次元力学モデルを構成,皮膚に入力された機械刺激がどのように機械受容器に捉えられるかシミュレートできる皮膚の触覚解析モデルを構築することを目指した. 研究期間中には主に,皮膚変形の動解析およびサルの指から断面標本を作製し膠原繊維の3次元分布を観察した.動解析については,サルの指断面標本を基に作成した膠原繊維を含んだ2次元モデルに厚みを持たせ,これにヒトの指腹部の変形挙動の観測から求めた減衰を加えた.皮膚への外部刺激に対する解析の結果,同モデルの2次元解析の結果と同様に,均一な皮下組織モデルと比較して膠原繊維を含んだ場合,皮下組織内部で発生するひずみエネルギー密度の分布に拡散が見られ,膠原繊維が触覚の高感度かつ広受容野に貢献している可能性が示された.また,今後より正確な減衰の適用が必要とされるが,皮下組織内部に発生したひずみエネルー密度の時間変化についても,均一モデルと異なる可能性が示された.膠原繊維の3次元分布の観察については,サルの指から断面の連続切片標本を作成した.アザン染色により膠原繊維を染色し,顕微鏡下観察により膠原繊維の3次元分布,パチニ小体(皮下組織に分布する機械受容器)や脂肪,骨などとの関係について考察し,今後,取得した画像を基に3次元モデル化の可能性が見出せた.
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Research Products
(3 results)