2014 Fiscal Year Research-status Report
プライバシー保護を考慮した個人の同一性判定技術の創出
Project/Area Number |
26540089
|
Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
松井 知子 統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (10370090)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 和宏 統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (10579410)
武田 一哉 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (20273295)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | プライバシー保護 / 個人認証 / 音声データ / 行動データ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は方法開発チームと特徴量解析・実証実験チームの2チーム体制で遂行している。平成26の研究実績をチームごとに説明する。 方法開発チームでは、個人の同一性と匿名性を同時に表す確率的指標PIPA (Probabilistic Indicator for Person-equivalence and Anonymity)のための主要技術であるカーネル平均法について検討を行った。その結果、音声のような系列データに対してはカーネル平均法はうまく個人性判定できない問題があることがわかった。またその問題に対しては、系列データからブートストラップ法により複数の類似系列を生成する方法 Wild Bootstrap[K. Chwialkowski, D. Sejdinovic and A. Gretton, NIPS2014]が効果があることを確認した。 特徴量解析・実証実験チームでは、Wild Bootstrap法を音声データ(特徴量はケプストラム系列ベクトルを使用)に適用し、ある程度の判定性能が得られることを確認した。しかし、その性能は従来の混合ガウス分布モデルによる方法よりも低く、更なる方法の見直し、および実装の確認が必要なことを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PIPAの主要技術として考えていたカーネル平均法が、系列データに対してうまく個人性判定できない問題があることがわかり、主要技術の見直しを行う必要であった。そのため研究の進捗がやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
方法開発チーム、特徴量解析・実証実験チームごとに今後の推進方策を示す。 方法開発チームでは、Wild Bootstrap法を用いたPIPAの検討を進めるとともに、PIPAに基づく生体の個人データを用いた「プライバシー保護を考慮した個人の同一性判定」技術PPED (Privacy-preserving Person-Equivalence Decision)の開発を開始する。 特徴量解析・実証実験チームでは、方法開発チームで開発するPIPA、PPEDの性能を確認する。また、音声データについてi-vectorの特徴量についても検討する。
|
Causes of Carryover |
平成26年度に、カーネル平均法を主要技術として用いて個人の同一性と匿名性を同時に表す確率的指標PIPAを開発し、国際会議などで発表する予定であった。しかし、カーネル平均法は系列データに対して問題があることがわかり、方法の見直しをする必要が生じ、十分な性能が得られずに発表に至らなかった。そのため未使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
カーネル法に代わり、Wild Bootstrap法を主要技術とするPIPA、およびそれに基づく生体の個人データを用いた「プライバシー保護を考慮した個人の同一性判定」技術PPEDを開発して、国際会議などで発表していく。その費用として使用する。
|