2015 Fiscal Year Research-status Report
Pseudo-hapticsを用いた実世界における精密作業の支援
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26540100
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷川 智洋 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (80418657)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マルチモーダルインタフェース / クロスモーダル知覚 / ヒューマンインタフェース / Pseudo-haptics / 作業支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に得られた知見に基づき,適切な視覚フィードバックを実装して,細かな作業の精度を向上させるシステムの改良を行い,評価実験を行った.また,主観評価に加え,タスク評価を通して作業にかかる時間や成功率,誤操作率等を用いた効果の定量的な計測を行った. 前年度は単純な描画経路に限定されていた描画作業であったのに対し,本年度は,多様な作業を実現するため,直線,曲線に加え,角を含むタスクについても視覚フィードバックのアルゴリズムを提案し実装をおこなった.提案システムを用いて,定量的な評価を行うことで,描画において必要となるすべての要素に対して,提案手法の有効性を明らかにするとともに最適なフォードバックゲインを明らかにすることができた.これにより,作業経路の単純な作業だけではなく,任意の直線,曲線,角の組み合わせについて視覚フィードバックをかけることで,様々な描画作業において,その精度を向上させるための視覚フィードバックの生成手法を確立できたと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究提案している,MR 空間内において描画作業時のユーザの手の動きを視覚的に変化させることで視触覚間相互作用(Visuo-haptics)を生起し,触覚提示装置なしで実空間での精密描画作業を支援するシステムを構築するための,手法の体系化を行うことができた.描画作業を,直線,曲線,角の三要素に分解し,それぞれについて必要な視覚フィードバックの設計と実証を行うことができ,その結果,多様な描画作業への支援が可能になったと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,生理指標に基づく客観的評価を行い,精度だけでなくユーザに与える疲労度などの面に関してもユーザ腕部の筋電位等を用いることで評価する.もちろん,タスク評価を通して,作業にかかる時間や成功率,誤操作率等を用いた効果の定量的な計測も行い,様々な作業における視覚フィードバックの効果や適用可能場面を体系化し,ツールキット化して知見を共有可能にする.
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Causes of Carryover |
本年度は,研究内容について想像以上に反響があり,描画作業の多様性を実現するための手法の提案と実証を行い,より実用のための展開を行った.そのため,行動計測による定量評価や生理指標に基づく疲労度などの客観的評価をより多くの状況に対して行う必要があるため,次年度に回し評価実験を行うことになった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
すでに実現したシステムを用いて,行動計測による定量評価及び生理指標に基づく評価実験を行う. そのため,整理指標を計測装置を購入し,被験者への謝金の支払いが必要となる.また,国際学会への成果発表を計画している.
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