2016 Fiscal Year Annual Research Report
Supporting precise manual-handling task using pseudo-haptics
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26540100
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷川 智洋 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特任准教授 (80418657)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | バーチャルリアリティ / マルチモーダルインターフェース / 認知科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,MRを利用した視覚変化によって実空間での精密作業中に擬似触力覚を生起させることで作業の精度向上を図る手法とシステムを提案している.ユーザはMR環境下で作業を行い,実空間の動作が目標動作からそれたとき,誤差が拡大するように映像に変化を加えて提示する.それにより,その方向に擬似触力覚が生起され,ユーザは反射的にその力に抗うように手に力をいれてしまい,結果として誤差が縮小する方向に実空間の動作が補正されると考えている. 本年度は,提案手法が身体の回転運動の精度を要する作業の支援に有効か検証する実験を行った実証システムには,カジュアルな撮影に使用されるケースを想定し,一般的なスマートフォンのカメラを用いた.撮影中,光軸回りの水平のずれを内蔵の姿勢センサで検知し,画面映像をずれが拡大する方向に回転して表示する.本手法で水平取りの精度が向上するか検証実験を行った.ずれの拡大率(gain)は1.0から0.5刻みに4.0までで,各gain 2回ずつを1セットとし3セット撮影させた.セット中のgainの順番はランダムとし,セット間には1分間の休憩を設けた.撮影中の回転角のずれを二乗し足したものをscoreとし精度の使用し,被験者間の個人差をなくすため,視覚変化なし(gain=1.0)の時を基準に正規化した.視覚変化なしと比較し,gainが2.0, 2.5のとき精度が有意に改善し,3.5以上で有意に悪化した.以上より水平取りのずれ補正においてgainは2.0から2.5が適切と考えられる. この結果は,前年度までの描画作業の精度向上を対象としたシステムと同様のgainが,精度向上に有効であることを示しており,それ以上では作業時間の増加や逆に精度の悪化などの弊害があることも示唆された.この値は他の作業でも有効となる可能性がある.
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