2014 Fiscal Year Research-status Report
生き生きとした動きをする自動あやつり人形の開発と技能伝承および文化創造への応用
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26540103
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 誠 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (50114872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤羽 克仁 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (70500007)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ヒューマンインタフェース / バーチャルリアリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに糸を使った力覚提示装置の開発に従事してきた。その経験を生かして、糸を使った芸術表現を提示するために、日本の重要な無形文化財である「あやつり人形」に着目し、「あやつり人形」遣いの技能を特徴別に分類し、技能の記録、技能の難易度の数値化などの科学的分析を行い、高速・高精細な糸の制御(位置制御+力制御)による工学的技術を駆使した、精度と生き物のような柔軟さの双方の特徴を持つ新しい「自動あやつり人形」の開発を目的として研究を進めてきた。 その中でも、平成26年度においては、生き生きとしたあやつり人形の要因の解明を目的とし、「人形遣い」の存在が演目に与える影響を調査した。そしていつの間にか「人形遣い」の存在を忘れ、まるであやつり人形が自分の意思で演じているかのように見入ってしまう原因がどこにあるかを探った。 特に、指先を巧みに使い細かな表現や操作プレートの動きに連動した指先の動きを計測し、技能を特徴別に分類し、技能の記録、技能の難易度の数値化を行なった。 さらに、糸を積極的に観客に見せたほうが効果的なのか、そうでないほうが良いのか、また、人形遣いは見えたほうが良いのか見えないほうがよいのか。その影響は演目によるのであれば、その分類をおこない、いくつかの特徴的な演目を取り上げて演目内容と共に検証し、人々を魅了する「あやつり人形」の世界を科学的に分析することを試みた。その結果、平成27年度の研究計画に役立つ成果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生き生きとした動きをする「自動あやつり人形」を開発するために、あやつり人形遣いの技能の解析のために技能を特徴別に分類し、技能の記録、技能の難易度の数値化を行い、糸および駆動用モータの配置を含めた環境設計を進めている。特に高速な糸制御が必要となるので、FPGAおよびNVIDIA社製GPU搭載Tegraプロセッサを用いた専用コントローラの開発も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、「自動あやつり人形」の開発を進めるため、1kHz以上の更新周波数で糸長から各関節すべての位置・姿勢を計算し、精度と生き物のような柔軟さの双方の特徴を持つシステムを構築していく。 また、そのための評価実験として「自由あやつり人形」に技能分類から得られた基本行動を行い、その行動の精度を計測する。また、被験者とのインタラクションの可能性を実験から検証する。
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Research Products
(11 results)