2015 Fiscal Year Research-status Report
仮想身体を用いた身体図式更新によるスポーツ習熟度加速に関する研究
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26540107
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
橋本 秀紀 中央大学, 理工学部, 教授 (30183908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 壮亮 中央大学, 理工学部, 助教 (20634695)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 仮想身体 / 身体図式 / 習熟度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、根本からの運動神経改善によるスポーツ能力向上を目的とし、高速・正確な運動動作を要するスポーツにおいて基盤となる身体図式(身体位置に関する感覚)の真度を集中的に高めるアプローチを提案している。そして、以下の遂行を当初計画に掲げた。 (1)身体図式更新システムの構築 (2)更新度合の定量評価システムの構築 (3)身体図式更新の基礎特性の導出 (4)没入スポーツトレーナーの構築 (5)スポーツ動作における身体図式の真度測定と誤差補正法の開発
前年度は、ベーシックな位置合わせ動作であるリーチング動作を対象に(1)~(3)を実施し、身体図式更新の方法を絞り込んだ。これを受けて本年度は、(4)・(5)に相当するものとして、スポーツトレーニングへの実応用に取り組んだ。ここでは、極めて高精度な位置合わせが要求されるものである事から、ゴルフの主要動作であるパッティングに注目した。HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着し、ボールやグリーンは視覚提示しつつも腕とパタークラブは遮蔽するという視覚情報のフィルタリングを施すことで、身体図式への意識が集中するトレーニング環境を構築した。この環境下でパッティング動作を実施し、ボールに対するパターのフェース角度やボール進行方向、HMD装着のステレオカメラにて測定した一人称実映像のフィードバック(隠消状態にあった腕・クラブの実際の位置・姿勢の確認)などの教示によって、学習を促した。今後、被験者を増やし、さらには試行回数を重ねる必要があるものの、現段階の結果として、フェース角度やボール進行方向は理想値からの誤差の平均値が減少し、さらに分散も減少している。特に分散の減少は顕著であり、効果的な繰り返し練習が行われた事で身体図式の曖昧さが低減した事を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りに進んでおり、おおむね順調と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在まで得られた知見を基に、サンプル数を増やしより厳密な統計評価によって有効性の有無を確認する。
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Causes of Carryover |
研究室に既存の研究設備を活用することによって物品を購入せずに研究の遂行ができたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、最終成果物の作成に関する物品、成果発表の旅費及び人件費に使用する予定である。
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[Presentation] "身体位置感覚更新の触力覚提示による影響”2015
Author(s)
佐藤 謙太, 中村 壮亮, 望月 典樹, 加藤 拓光, 橋本 秀紀,
Organizer
第33回日本ロボット学会学術講演会 (RSJ2015), 2L2-04, 2015.9, 東京
Place of Presentation
東京電機大学
Year and Date
2015-09-03 – 2015-09-05