2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26540108
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
三輪 敬之 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10103615)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 貴文 早稲田大学, 付置研究所, 講師 (20449341)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 共創システム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,身体の動きやイメージを引き出したり,共存在空間を創出したりできる霧ディスプレイの実現を目指して, 2種類の新しい霧噴出機構のプロトタイプを開発した. まず,①層状に整流して霧を噴出するユニットと拡散して霧を噴出するユニットを組み合わせた霧噴出機構を開発した.これにより,拡散霧と層状霧の噴出位置の関係や,霧の高さ,濃度分布などを操作可能な150×200×250[mm]の霧メディア空間を生成することに成功した.さらに,②セル状に16分割された各セルの霧の噴出速度を個別に操作可能とした霧噴出機構(Massive fog display)を開発した.これにより,390×390×150[mm]のドーム形状のマッシブな霧メディア空間を生成するとともに,ドーム高さを任意に変化させることに成功した.さらに,上記の霧噴出機構に,距離画像センサとサーモカメラを用いた映像メディアの生成・呈示機能を組み込んだ. 開発した霧ディスプレイに映像を投影した結果,層状霧ディスプレイと比較して,拡散霧と層状霧を併用した場合に映像の奥行感が強まることが確認できた.とくに,Massive fog displayでは,2次元のCG映像を投影しているにもかかわらず,あたかもその映像が3D映像のように見えることを発見した.さらに,相手の存在感や,相手との3次元的な身体的インタラクションの創出支援を目指して,霧ディスプレイに投影されている相手の身体像の動きに応じて,①における霧の濃度分布や,②におけるディスプレイ面(霧の表面)形状を変化させることを試みた.加えて,②において,体験者同士の手と手を線で結び,その軌跡を描線として残すメディアを開発した.その結果,「描線が3次元的にみえるので、身体との一体感や、相手とのつながり感が増す」などのコメントが得られ,霧メディア空間に場を生成できる見通しを得た.以上より,遠隔地に存在する相手との身体表現の共創を可能にするFog Boxの設計指針を得た.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は,当初の研究計画どおり,拡散霧と層状霧を組み合わせた霧ディスプレイとMassive fog displayの開発に成功し,身体の動きやイメージを引き出したり,共存在空間(場)を生成したりできる霧ディスプレイを実現するための手がかりが得られたため.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の研究で得られた成果を踏まえて,霧ディスプレイシステムを小型化,モバイル化し,いつでもどこでもネットワークに接続できる機能を実装したFog Boxの開発を行う.そして,Fog Boxを複数台製作し,身体性メディアを双方で通信しあうことによって,共創表現の遠隔支援に向けた研究を推進していく.
|
Causes of Carryover |
次年度使用額は,1000円程度であり,当初の使用計画どおりに予算を執行した.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は,前年度に得られた知見を踏まえて,Fog Boxの実機を開発するための物品費,ならびに,本研究の成果を学会で発表するための旅費などに,本年度請求額と次年度使用額を使用する.
|
Research Products
(6 results)