2015 Fiscal Year Research-status Report
世界70億人の100年を地球規模でシミュレートするためのエージェント技術の開発
Project/Area Number |
26540111
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川村 秀憲 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (60322830)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | マルチエージェント / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は高速なシミュレーションを行うために、GPUを使ったソフトウェア開発、シミュレーション方法について調査、研究を行った。そのシステム上で、多数のユーザがマイクロタスクを実行する際のタスク割り当てに関するシミュレーションの基礎研究を行った。 具体的には、テスラというGPUをそれぞれ4台搭載した計算機5台を計算機環境とし、それぞれにLinuxの一種であるubuntuをインストールし、そのうえでcudaを利用した計算機環境を実現した。また、その計算機環境上でMPIを利用した並列計算が可能となるように環境設定し、シミュレーションが実行できるように準備した。 シミュレーションの対象となるモデルとしては、ユーザの行動履歴に基づいたタスク割り当てのアルゴリズムを開発し、実際にシミュレーションを行って効果検証を行った。その結果、タスクの締め切り時間のみならず、ユーザの特性を考慮しながらタスクを割り当てることで、締め切りのみを優先するアルゴリズムよりも10%程度、タスクの総実行時間を短縮することができた。現在はまだ小規模、単純なシミュレーションだが、今後より大規模なシミュレーションに発展させる手がかりを得ることができた。 また、repast HPCを用いたシミュレーションに関する研究論文を発表し、Journal on Systemics,Cybernetics and Informatics誌に掲載された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大規模なシミュレーション環境の準備が順調に行えているため。また、簡単なシミュレーションにてその環境が実際に使うことができ、また基礎的な成果が得られているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
本課題の最終年度へ向けて、これまでの研究成果をベースに当初の目的である大規模エージェントシミュレーションの実行について、必要な課題の研究開発を行う。
|
Causes of Carryover |
当初支出見積もりに対して多少の誤差が出たため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
少額なので、当初計画より特に変更なし。
|