2014 Fiscal Year Research-status Report
身体と知能を自ら診断・修正が可能な自己検証成長型ロボットシステムに関する研究
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26540132
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 慧 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (70359652)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 知能ロボット / 自己検証 |
Outline of Annual Research Achievements |
一般のロボットでは利用前にその身体や知能であるハードやソフトが正常に機能することを確認するため校正器具やテストコードを用いた検証を行う.一方,将来社会に進出するロボットは新しい状況や未知のタスクに応じて身体や知能が成長し続けることが期待されるが,それに応じてロボットも自身の身体と知能が正常に機能するかを常に検証し続ける必要がある.そこでは,検証には正常な仕様を知る必要があるが,正常な仕様は成長に伴い変化するという循環参照が問題になる.そこで本研究では常時蓄積する動作感覚情報の一貫性解析に基づいた正常の理解構造の解明に挑戦し,これに基づき自己検証機能とその結果を反映する活栓修正機構を実現する. 平成26年度は以下の研究を実施した ・身体知能成長型シミュレーション環境の構築:身体と知能の成長を模擬できるロボットシミュレーション環境として,クラウドシステム上に知能ソフトウェアの常時更新に対応できるシミュレーション環境を構築し,複数の身体形状でもシミュレーションできるよう拡張した. ・全身体動作感覚情報のによる正常性推定法の導入:身体と知能の正常性評価に必要な全動作感覚情報を取得利用できる蓄積システムをクラウド上に構築し,これ非線形最適化に特化した数値計算システムを統合し正常性推定を含んだ自己検証手法を確立した. ・検証プログラム安全実行機構の構築:自動検証する知能ソフトウェアによりロボットの身体と周囲の環境を破壊しないための安全実行機構を構築する.具体的にはシミュレータ上での動作検証から実機での動作検証時に得られる全身体センサ情報の予測値と許容変化量を計算し,ここから逸脱を監視する
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでのところ,ハードやソフトが正常に機能することを確認するため校正器具やテストコードを用いた検証システムの基盤環境を構築し,これが有効に機能することを確認した.これらの基盤環境は,現在は他の研究課題においても利用されている必要不可欠なものとなっており研究課題の必要性,有効性が十分に明らかになったと考えている.また,身体と知能の成長に対する対応としてこれらの環境では常に変化するソフトウェアに対しても継続的に利用されており,次年度に向けて十分な準備がなされており,次年度以降の自発的な正常性確認機能の解明に取り組む予定であり,当初の計画通り概ね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は以下の4つの項目に取り組む予定である. ・実ロボットを用いた自己身体知能検証理論の検証:開発した自己検証アルゴリズムを実ロボットで実行し,実ロボットの各アクチュエータ・センサ,並びに身体機構,計算機環境,認識,移動,操作の各知能ソフトウェアが正常に機能するか,外部船さで得られる観測情報を用いて評価し,意図的に含めた以上状態を正しく検知し原因の推定が可能であることを確認する. ・継続的変容知能ソフトウェアへの適用可能性を検証:常時自己知能変容するオープンソースコミュニティ接続型の作業移動ロボットを用いて継続的変容知能ソフトウェアへの適用可能性を検証する.認識行動プログラム並びにタスク実現プログラムを実行し目的の達成評価による自動検証を実施する.タスク実現プログラムの例としては,エレベータを利用し下層階に移動し買い物をする,冷蔵庫の中の物品を持ってくる等,これまで実現してきたものを活用する. ・自己検証診断結果に基づくロボット基盤システムの活栓修正機構:ロボットがサービス稼働中にロボット基盤システム更新するオンライン更新機構を構築する.その実現方法には,基盤要素プログラムを逐次的に更新していく方法と,基盤システム全体を一括して更新する方法が考えられる.前者は移行するプロセスは一回一個づつでありシステムは簡潔だが,更新の順序の決定法が多いなど課題になる.そこで計算機仮想化技術を活用して,ロボットの体内計算機を複製し,2 つの等価なロボット計算機環境を構築する.その上で新旧2つのロボット基盤システムを稼働させ,同じ出力が生成されていることを確認した上で,基盤システムの更新を行う機構を構築する.
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Research Products
(1 results)