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2014 Fiscal Year Research-status Report

「笑い」を通じた人間とロボットの社会的インタラクションの実現

Research Project

Project/Area Number 26540137
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

高西 淳夫  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50179462)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsヒューマノイドロボット / ヒューマンロボットインタラクション / ロボットアーム / 笑い / 動作生成
Outline of Annual Research Achievements

本研究は笑いの持つ社会的インタラクションの好例と言える特徴に注目,ロボットにインタラクション相手に目的の印象を与える動作生成アルゴリズムを搭載することで,人間との笑いを通じた円滑な社会的インタラクションを実現することを目的としている.研究初年度である平成26年度には以下の2点について研究を推進した.
1点目は笑い誘発に有効な誇張動作が可能なヒューマノイドロボットの腕部ハードウェアの開発である.人間とロボットは関節配置・構造が異なるため,3DCGソフトBlender上に再現したロボット腕の動作の速い芸人のネタを表現させ,要求仕様を求めた.腕部に要求された速度は各関節の平均で旧機体の10倍以上であった.小型・軽量かつ高出力な腕部を実現するため,肘Pitch,上腕Yawの腕部末端の関節は胴体に配置したモータからフレキシブルシャフトによりトルクを伝達して駆動し,腕部全体の慣性モーメントを削減した.また特に大きな出力が要求される肩付け根Rollには2つのモータを並列に駆動する構造で駆動した.
2点目はロボットの面白い全身動作生成アルゴリズム確立に向けた検証実験である.我々はお笑い芸人らがネタの面白さの要因を解説した書籍から「笑いの方略」をまとめた.本研究ではこれを利用したロボットの面白い全身動作生成を目指している.本年度の研究では,「笑いの方略」のうち「誇張」の方略によってロボットの動作を面白く変化させることができるかを調査した.ロボットの3つの動作を速度・可動範囲を大きい・小さいに場合分けした4つの条件に変化させ,印象を比較した.この結果動作が速く・大きい場合には動作が遅く・小さい場合に比べ有意に面白さが上昇することが確認された.これは「誇張」方略を利用することでロボットの動作を面白く変化できることを示しており,「笑いの方略」による動作生成の有効性が一部示されたといえる.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

本研究は「笑い」を通じた人間とロボットの円滑な社会的インタラクションの実現を目的としている.この目的を実現するためには,笑いを誘発する刺激を生成するロボット側のアプローチとして笑い誘発のためのロボットのハードウェアの開発,面白い全身動作を生成するアルゴリズムの構築が必要である.またその刺激を受けた人間側の反応を計測するとともに,刺激と反応の関係をモデル化することで人間に目的の印象を与えることが必要になる.
交付申請時,本年度の目標は高速な動作が可能な腕部を開発すること,およびロボットの動作生成アルゴリズムの検討としていた.実際にロボットの高速な動作が可能な腕部の開発を実現させた,さらに,ロボットの面白い全身動作を生成するアルゴリズムとしてお笑い芸人らがネタの面白さの要因を説明した「笑い方略」をロボットの動作の特徴として利用,これを組み合わせることでロボットの面白い動作を実現させる手法を考案した.さらに,ロボット実機を用いて「笑い方略」の中から「誇張」方略で説明が可能な動作を作成,20名の被験者を対象とした実験により面白さの向上を確認,この手法の有効性を一部確認した.ロボット実機を用いてアルゴリズムの有効性の基礎的な評価を実施できたことは,計画以上の進展といえる.

Strategy for Future Research Activity

本研究の第2年度である平成27年度は以下の3点について研究を推進する.
1点目は手首までを含んだ高速・高可動域を持つハードウェアの開発による全身での誇張表現の実現である.第1年度に芸人のような誇張動作が可能な高速・高可動域をもつ腕部の第1段階として肩付け根Roll軸から肘Pitch軸までの片腕6自由度の腕部を開発した.この腕部による動作の笑い誘発への有効性が確認されたため,この方針を継続し,高速・高可動域をもつ手首を開発する.腕部全体の慣性モーメントを削減するため,手首には大幅な軽量化が求められる.要求仕様は速度・加速度は人体計測から,トルクは将来的なハンドの搭載を見越して決定する.
2点目は「笑い方略」を活用したロボットの面白い動作の生成のためのアルゴリズム構築を進めることである.第1年度に「笑いの方略」のうち,「誇張」の方略を利用した表現の笑い誘発への有効性を確認した.この方針を継続し,お笑い芸人がネタ中に多用する「キャラ表現」によるロボットの動作生成を実現させる.ロボットで「キャラ」を動作により表現するための特徴を取得するため,プロの役者に様々な「キャラ」の演技を依頼する.演技の特徴を抽出してロボットに実装したうえで実際に「キャラ」が表現できるか,「面白さ」が向上するかを評価する.
3点目は被験者の負担を軽減し,将来的な「笑いの万歩計」としての利用を見越した笑い反応を計測するセンサの絞り込みおよび小型・軽量化である.また,これらの装置を用いた笑い状態の定量計測としてはこれまでに笑い状態の有無を判別するアルゴリズムを構築してきた.これに加え,笑い反応をより詳細に計測するためには笑い状態の強度を計測することが必要である.我々は笑い反応の継続時間から笑い反応の強度を計測することが可能であると考えている.これまでに取得した被験者の反応を解析し,この手法の有用性を検討する.

Causes of Carryover

当初の予定では第一年度にロボットの高速・広範囲な動作が可能な腕部を手首まで開発予定であったが,実際の研究では肘までを優先して開発,これを用いたハードウェアの評価実験,笑い誘発のためのロボット動作生成アルゴリズムの評価を優先して実施した.
これによってロボットの手首の開発は第2年度目の実施に変更したため,一部を次年度仕様額として繰り越して使用することとした.

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度使用額は,繰り越し時の計画通り当初第1年度目に開発予定であった高速・広範囲の動作が可能なロボット手首の開発に使用する.

  • Research Products

    (4 results)

All 2014

All Presentation (4 results) (of which Invited: 2 results)

  • [Presentation] 笑いを通じた人間とロボットのインタラクションに関する研究(第1報:高速度・広可動域を実現した2足ヒューマノイドロボット上腕部の開発)2014

    • Author(s)
      下村 宗一郎,岸 竜弘,二木 元,柳野 浩志,八原 昌亨,Sarah Cosentino,野澤 孝司,橋本 健二,高西 淳夫
    • Organizer
      第15回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会
    • Place of Presentation
      東京ビッグサイト
    • Year and Date
      2014-12-15 – 2014-12-17
  • [Presentation] Humanoid Robotics Research and Its Applications2014

    • Author(s)
      Atsuo Takanishi
    • Organizer
      2014 IEEE International Conference Robotics and Biomimetics
    • Place of Presentation
      Bali, Indonesia
    • Year and Date
      2014-12-05 – 2014-12-10
    • Invited
  • [Presentation] 揉み動作によるくすぐりで人間の笑いを誘発する一自由度ロボットハンドの開発2014

    • Author(s)
      岸竜弘,野澤孝司,新堀亜衣,二木元,三浦祐作,吉田圭佑,椎名恵,松木慧,柳野浩志,Sarah Cosentino,橋本健二,高西淳夫
    • Organizer
      第32回日本ロボット学会学術講演会
    • Place of Presentation
      九州産業大学
    • Year and Date
      2014-09-04 – 2014-09-06
  • [Presentation] Humanoid Robotics, and History and Culture of Japan -Comparison between Western Countries and Japan through the View of Humanoid2014

    • Author(s)
      Atsuo Takanishi
    • Organizer
      2nd International Conference on Universal Village
    • Place of Presentation
      Boston, USA
    • Year and Date
      2014-06-16 – 2014-06-17
    • Invited

URL: 

Published: 2016-05-27  

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