2015 Fiscal Year Annual Research Report
スキルレベル・行動が類似の表出知提示による能動的「こつ」習得サポート
Project/Area Number |
26540143
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
渡辺 哲陽 金沢大学, 機械工学系, 准教授 (80363125)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コツ / 技能習熟 / 学習 / サポート |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,伝統工芸品などに求められる伝統技術を保持する者(以下,熟練者とする)の高齢化により,熟練者の数の減少が進んでいる.その結果として将来において伝統技術が失われることが危惧される. 伝統技術のようなモノを加工・操作するには,道具・機器が必要であり,その使用には「コツ」を習得が求められる.「コツ」を習得は能動的に道具・機器を操作する過程ですることにより実現される.しかしどのような方法論が「コツ」習得の効率を上げるのか良く分かっていないうえに,「コツ」は,言葉や動作などとは異なり,表出させることが出来ない知識のため伝達ができない暗黙知である.これを鑑み,本研究では,人が「コツ」習得するまでの過程を観察し,「コツ」を掴みやすい人の行動習性,「コツ」を掴みにくい人の行動習性を導出することで,能動的に「こつ」習得をサポートする方法論の構築を目指した. 実験は,見たことがないコントローラを使って,小型のヒト型ロボットを片足立ちさせる操作を行ってもらった.その際の行動履歴についてデータ収集を行った.未知の操作用コントローラを使うため,被験者はまず,コントローラでロボットの動かし方を自分で学ぶこととなる.さらに,片足立ちというバランスを保つことが難しい姿勢ととるための「コツ」を学ぶ必要がある.以上のような方法論に基づいて実験を行った. 実験結果を分析したところ,「コツ」を掴みやすい人はランダムな操作を試す一方で,「コツ」を掴みにくい人は,数種類の操作方法を繰り返し試す傾向がみられた.「コツ」を掴みにくい人は,上手くいくと考えた操作方法に固執するきらいがあり,これを払拭させることで,「コツ」を掴ませ,早い習熟をサポートできる可能性があることが分かった.
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