2014 Fiscal Year Research-status Report
患者の視点に立った2次活用システムDWHの構築とナショナルDBへの展開研究
Project/Area Number |
26540156
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
本多 正幸 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (10143306)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 患者情報の2次活用 / DWH / 病院情報システム / HIS / EHR |
Outline of Annual Research Achievements |
医療情報学の究極の目的は、蓄積されつつある患者情報の有効な活用にあり、DWHシステムに関して、現状を調査整理し、「使えるDWHシステム」の構築という観点で研究を行った。これまでの病院情報システムでは、基幹業務系(OLTP)としてのオーダーエントリーシステム、電子カルテシステムが構築されてきたが、基幹業務系のデータベース(DB)には構造上の問題が存在した。この基幹業務系とは別に、経営支援や研究支援のための患者横断的研究を主目的とした情報系システム(OLAP)が必要である。本研究は2年間の1年目に当たり、患者情報の2次活用システムとして、効率的なDWH構築のための基幹業務系DBからのデータ抽出法とその問題を検討した。特に、(1)データソース仕様書の粒度・実データ検証、(2)データソースの種類、連携ベンダー数への留意、(3)データソースの詳細に対する理解度への留意等、を考慮して研究を展開した。具体的な展開については、ある一定期間の実運用に必要なデータのみを先行取り込みを行い、予定した全てのデータ収集を完了する以前に検証を行える環境を構築した。主な重要な点は以下の通りであった。 1.HISデータである電子カルテや医事会計からDWHへの直接的なインターフェースプログラムなどを用いずに、中間DBを用いることで効率を図った。2.HISベンダーが構築する電子カルテ、医事会計、看護支援等のみならず、部門システムとも連携を図り、DWHへの取り込み範囲を広げた。3.文書管理システムとして新規導入のYahgeeとの連携を図り、テキストデータのみならずPDFファイルに存在するデータの2次活用を目指した。4.各部門との直接ヒアリングや画面イメージでの摺合せを行い、ニーズ確認を十分に行った。5.仕様書の分析と実データの検証に注力した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新DWHシステムの構築は、総合病院情報システム(HIS)の更新と同期を合わせて実行するため、今回導入したDWHとHISの中間に位置する中間DBの構築が遅れたため、DWHへのデータの移行と検証が予定よりも遅れたことが、本研究の進捗に影響を与えた。今後は、当初の研究目的を見据えつつ展開を早めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、新しい視点(HIS-DWH-EHR-NDBへとシームレスに拡張し、情報セキュリティや情報活用、人材育成などの観点も交えた研究)でのアプローチを想定している。今後は、EHR、NDBへの展開も視野に入れつつ、通常の経営支援や研究支援のためにはDWHに対してどのような検索手法や統計解析手法が必要であるのかを現状調査を含めて分析する。最終的には、「使えるDWHシステム」のモデルを目指して研究を遂行する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度も研究遂行のため、出張旅費等の経費が必要なため、次年度に使用額が生じています。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
申請時に予定したとおりの使用計画を想定しています。
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