2015 Fiscal Year Research-status Report
周縁地域における携帯電話を利用したリテラシー獲得支援
Project/Area Number |
26540179
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
羽渕 一代 弘前大学, 人文学部, 准教授 (70333474)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 周縁 / メディア |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度は、イスラム過激派の活動が世界的に活発となったため、ケニアにおける状況に関する情報収集が主であった。日本国内におけるケニアをフィールドとする専門家に聞き取りをおこなったり、メディア研究のレビューをおこなった。その結果、以下のような情報が得られた。 まず、5年前と比較しても、ケニアの周縁地域における携帯電話を中心としたモバイル端末の利用は広がっている。とくに、ケニア北部地域においても、端末を使う若者が増加している。その際、若者の携帯電話の利用は、どちらかといえば、情報蓄積メディアとしての利用がされているということであった。通信の利用には経済的な負荷がかかるため、主に、ブルートゥースを利用して近隣の友人関係の中で、画像や動画、音楽などを記録し、それを交換して、楽しむという行為が頻繁にみられているということであった。 そういったメディア文化が広がることによって、若者たちがこれまで楽しんできた、ダンスや会合といったある意味で「伝統的」とみえるような文化行動が減少してきているという。 次に、トゥルカナにおける紛争の状況についても情報が得られた。主に、油田がみつかった南トゥルカナにおいては、労働条件や経済的な生活の向上に不満をもつ住民の白人に対する暴力行為があったという情報が得られたため、ナイロビからトゥルカナへの交通について、車での移動が困難であるということがわかった。そのため、飛行機での移動を余儀なくされている。ただし、ロドワにおいて、レンタカーなどはなく、タクシーもカクマまでは悪路を理由に乗車拒否されることが多く、車の確保が難しいため、カクマ周辺までのアクセスが困難だということもわかった。このような状況を鑑み、準備を進め、次年度の調査計画を見直した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
主に、イスラム過激派のテロ活動の活発化とケニアにおける油田開発をめぐる紛争がおさまらないため。
|
Strategy for Future Research Activity |
フィールドへのアクセス方法を見直し、調査手法を変更したうえで、フィールドワークをおこなう。
|
Causes of Carryover |
イスラム過激派のテロ活動活発化とケニア国内の紛争によるアクセス困難が生じたため、実地調査出張が執行できなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度できなかった調査をおこなう。
|